※まだチュートリアル中です
「まだこのオンボロが働いて良かったわい」
「大砲ですか?」
「あぁ、元々船に積んであったのを一門だけ拾ってこれたからな。火の魔法の力も込められとるが動くかは半ば賭けだった。今のでガタが来たのかもう動かん見立てだが」
「ありがとうございますっ」
見た目は中世の海賊が使ってそうな大砲だ。だけどあの火球のようになってたのは特別だからみたい。今は貴重な物を使ってくれたことに感謝しよう。
それにしても、さっきからボス狼以降他の敵が来ない。移動が楽だから良いけど、このままだと少し困るかも。
案内されること少しして、森の人工的に開かれた場所にある小屋に辿り着いた。周りには薪を置いとく場所とか、焚き火がある。
重い音を立てながら扉が開けられる。中は幾つかの物と椅子と机、寝床、3つの木箱があるだけだ。多分これ全部手作りなのだろう。
「失礼します」
「碌に客をもてなせんが、まぁ適当な所に座ってくれ。あぁあと堅苦しい言葉も使わんで良い」
「ん、良いの? ならそうするね」
とりあえず私は寝床に座るとローガは木箱の1つをガサゴソと漁り、何か竜っぽい?頭蓋骨と長い骨を無理矢理くっつけて武器にしたような物が出てきた。どうやって入ってたのそれ?
「コイツは昔船員の1人が好んで使ってたんだがな、どうだ?」
「それは貰って良いの?」
「あぁ、儂には扱えん」
それを手に取ると、武器の詳細が出た。
種別:両手武器
名称:飛竜頭潰
耐久値:200
攻撃力:110
特殊効果:《頑丈》《頭部破壊》
説明:ワイバーンの頭蓋骨と骨を組み合わせて作られた船乗りの戦鎚。雑に扱っても壊れにくく、頭部に命中した際はさらなるダメージを与える。そう言った猛威を振るったことからこの名が付いた。
ずっしりとしてるけど不思議と手に馴染む。耐久値が減りにくくて強い武器はとても嬉しい。しばらくはあの最初から持ってる武器で戦わないといけないと思ってたからね。
「ワタメの嬢ちゃんはどうやってこの島まで来たんだ?」
「壊れない小舟で……白鯨に追われるがまま逃げたらこの島に」
「ほう、通りで波の音と獣共が騒がしいと思ったわい。ならば儂が昔使っていたテントも見つけておらんか?」
「それなら私が使えるように今修復してるけど……ダメだった?」
「いや、儂は此処から離れられんし有効活用してくれ。儂とワタメの嬢ちゃんは只人の里にはどうにも馴染めんが……ワタメの嬢ちゃんは大海に認められとるからの、もし此の島を離れるなら次は東に向かえ。邪険にはされんはずじゃからの」
「分かったよ、色々ありがとうローガさん」
「羅針盤も持ってけ、同族の好として出来ることはしたい」
そう言ってローガさんは笑みを浮かべながらシンプルな羅針盤を渡してくれた。口調こそ荒い部分はあるけど、それでも根は優しい人なのだろう。
でも、大海に認められてるとか人里には馴染めないってどういうことだろう? 大海の冒険者を持ってるからとかは何となくは分かるけど、後は実際に行ってみるしかない。
私は改めて礼を言ってローガさんの小屋を後にする。そして、チュートリアルクエストを終わらせる為に空気になりかけてた素材集めを続行するのだった。
そもそもまだチュートリアル中なんだけど、なんか色々凄いことになってるのはまぁ気のせいだろう。うん、きっとそう。
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