洞穴ダンジョン探検…出来なかった
入口辺りは何もなさそうだから、奥を覗くように行くと壁際の地面にある何かが青く光って足元を照らす。目を凝らすと光ってるのはキノコだ。
「松明か何か作らないといけないと思ったけど、これなら大丈夫そうだね」
両方の壁際に所々生えてるから、明かり問題はこれで解決した。それと共に、天井からバサバサと何か降りて来る。
「コウモリかぁ……私は苦手だなぁ……」
「「Kiiii!」」
特に味がね。それはさておき、現実で見たことがあるのより1mくらいの大きさだ。それが2匹、コウモリと言えば……。
「っ……! やっぱ超音波で攻撃してくるよね……」
「Kiiii!!」
キーンっと耳鳴りが起こって、流石の私でも動きが鈍った。超音波は数秒だけだけど交互にやられたら、タイミングによっては致命傷になってしまう。
案の定片方が牙を剥き出して飛びかかってくる。超音波の影響で動き辛いけど動かないと死ぬ。硬毛を使うとMP空になるし……いや、これくらい近付いて来てくれるなら、最低値でも大海の冒険者が使える!
「《我は大海の冒険者也》っ……」
「Kikii……」
「せ、せーふ!」
お互い遅い状態でコウモリの羽が鼻を掠める。持ってて良かった便利スキル。なんかずっと頼ってる気がする……強い技は容赦なく擦るのが私のポリシーだけどね。
「《先駆の一撃》」
「Kiii?!」
「Kiiiiiii!」
範囲に入れられたのは片方だけだから、もう片方を潰さないと不味い。だけどこれ……撤退した方が良いかな? 一撃は当てたけど、致命打にはなってない。
ここから先もコウモリが出るなら、せめて耳栓とかの対策が欲しい。まぁ、悔しいからこの2匹だけは潰すけど。
「《闘気》」
「ーーーー!」
「ぐっ……うぅ……! せ、《先駆の一撃》!」
こういう時に先駆の一撃の速度が生きる。アーツは多少動きを助けてくれるから、超音波に苛まれててもなんとかなる。
動きが遅くなってる方は後もう少しなはず。このままHPを削り切りたい。
「《突進》」
「Kii……」
戦鎚を前に突き出しながら発動させて、コウモリの1匹はそのまま轢かれて行く。複数匹居なければこっちのものだ。
超音波を出そうとするけど、既に私の間合いには入れている。
「《闘気》からのえぃっ!」
「Kiki?!」
MPはもうほとんど無くなったけど、強化された攻撃は頭を打って仰け反らせる。その勢いで続け様にもう一撃を与えると、地面に堕ちてそのままポリゴンの欠片となった。
「もう少し先に行きたいけど……大人しく撤退しなきゃね」
落ちたアイテムだけ拾って、私はそのまま洞穴から撤退したのだった。
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