1日目の戦果
あの後は無事に何事もなく浜辺へと戻り、火をつけて綺麗にした石の上で持ってる肉を全部焼いた。定期的に素手でひっくり返さなきゃいけないから、微妙にHPが減ってる……熱い……。
「あつうま……」
調味料もないからただ焼いただけだけど、それでもある程度は美味しいし空腹度もモリモリ回復してる。特に熊の肩肉が高級肉食べてるみたいでとても良い。焼肉のタレが欲しくなっちゃう。
「料理スキルとかないかなぁ……調味料と食器類も欲しいね」
空腹度は全部食べ終わる頃にはほぼ満タンになってた。満足した私はテントの中で寝転んで、ステータス画面を開く。
名前:ワタメ
種族:羊獣人LV10 職業:見習い戦鎚士LV10
HP:142/156 MP:15/60
STR:63
CON:11
AGI:32→40(1.2倍適応)
POW:5
DEX:8
INT:8
残りステータスポイント:2→0
種族スキル:《硬毛LV1》《突進LV1》《視力強化(羊)LV1→2》《聴力強化(羊)LV1→2》《打撃耐性LV1》《火属性弱点》《睡眠弱点》《恐怖弱点》
職業スキル:《戦鎚LV3→4》《闘気LV1→2》
通常スキル:《鑑定LV2→3》《HP自動回復LV2》《操船LV1》《手芸LV1》
特殊スキル:《大海の冒険者》
残りスキルポイント:20→18
AGIに2ポイント振って終了した。STRはそこそこ上がってるし、私自身の立ち回りで今はなんとかなってるけど、アバター自身の機動力も強化していきたい。
今日の連戦で違和感も大体は解消できたしね。あと一番大きいのは飛竜頭潰の存在。見習い戦鎚だと通らない場面が幾つかあったし。
「イレギュラーが多いけど、仮想の世界も楽しい」
ローガさんはNPCと言われる存在なのは知ってるけど、それでも現実の人間と変わらなく思える。また定期的に足を運ぼう。他プレイヤーとは会えなさそうだけどね……。
「食料集めながら探索して、大体終わったら東の島に行こうかな」
現状の目標はそんな感じ。まだ現実の時間は21時くらいだけど、やり過ぎも悪いだろうし明日も時間はあるからログアウトしよう。
コンソールを弄って終了ボタンを押して、現実へと戻る。機器を外してそのまま私は満足感のまま寝るのだった。
この時はまだ、白鯨に鑑定をした時のアナウンスが私個人にではなく、ゲーム内全体に響いていたことを知らずに。
…………………………
時は昼過ぎまで遡り本来プレイヤーがスタートする地点、始まりの街レーナでは騒ぎが起こっていた。それは当然のことで、サービス開始初日からまだ海すら見えないのに『海の支配者級エネミー』なんて言うアナウンスが出たからだ。
「何だ今のは?」
「え、ここから海って行ける?」
「バグ?」
様々なプレイヤーが、あぁでもないこうでもないと話し合い、運営に報告するプレイヤーも出る中。専用ホームページにその存在が追加されたことで、バグと言う説は完全に否定された。
掲示板で該当者の捜索が行われるも、そもそも掲示板の存在すら知らないワタメのことを誰も分かる訳がなく、ログだけが流れていく。
「なんだ今の……リスナー分かる?」
ある有名配信者は撮れ高の匂いを感じ。
「んー? ま、あたしには関係ねーしなぁ……《火球》っ」
魔法に使う上を棍棒代わりにしているプレイヤーは、特に何も考えずに聞き流した。
そして、そう遠くない未来で他にこの世界で名を広める者たちも、多少の差異はあれど結局は首を傾げる程度に終わったのだった。
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