Q、小柄な人型の敵が複数来たときは?
「ほら、早く来て?」
「「Gyagyagya!!」」
一々個別に撃破するのも面倒な数。てことで、適当に煽って私に少し近寄らせてから例のスキルを、余裕を持ってMP20消費して発動させる。
「《我は大海の冒険者也》」
「Gya……?!」
「ん、効いたね」
身軽そうだったけど、明らかに動きが悪くなって動揺してる。これならさっさと処理できそう。先ずは1匹目。せっかく包囲してるのに君だけ突出して出たら意味ないでしょ?
「《闘気》《先駆の一撃》」
「Gugya?!」
「次はそっちね」
「Gya……?!」
闘気をかけて1匹目の頭を突きで潰しつつ、横目で捉えてた2匹目を薙ぎ払いで吹き飛ばす。倒せてはないけど足止めが目的だから大丈夫。
立て続けに対処したからか、ゴブリン達は警戒を強めて距離を詰めるのを止めている。意外と慎重さはあるようだ。それともビビりかな?
……む、後ろから足音。
「っと! 不意打ちはもう少し静かにやらないとダメだよ?」
「GyaaA?!」
振り向きざまにバットをスイングするように、威力が乗った一撃を与えた。お、なんとなくだったけど頭に当たったから倒れたね。
構え直すと左右からゴブリンが襲いかかってくる。これの対処に集中してたら別方向からも来そうだから警戒。さて、リーチは私の方があるけど試したいことがある。
「Gyagya!」
「Gugya!!」
「せっかくだし……《突進》」
「Gya?」
敢えて1mまで近付いて、全力で地面を蹴って今まで使ってなかった突進を発動させる。戦鎚は槍のように構えた。このゴブリンは装備の手斧でガードしようとしてるけど、大丈夫かな?
「脆いっ!」
「Gya……?!?!」
哀れ、まるで車と衝突事故を起こしたように吹き飛んで行った。思ってたより強いねこのスキル。背を向けてるから後ろのゴブリンも槍を構えて刺しにくるけど……。
「その槍向いてないんじゃない?」
「Gyagya……!」
「んんっ……見かけによらず力ある……」
「「Gyagyagya!」」
少し身体を捩って槍の柄を掴んだ。別にあの三連撃のような速度と威力じゃないなら出来る。けど、そのまま奪うのは時間がかかりそう。残ったゴブリン達も来てるし、さっき足止めしたのももう起きてる。
「じゃあ返すね」
「Gya……!?」
ゴブリンは自分の方向に引っ張ってるから、それを利用して引くんじゃなくて押し込む。するとその勢い転んでくれるのだ。その隙に頭に向かって振り下ろして倒した。
「さっ、もう一仕事!」
これくらいの数になったら立ち回りを考えなくても、射程に入った敵からモグラ叩きのように殴っていくだけだ。
意外としっかりとした斬撃を繰り出すゴブリンの剣を弾いて、そこから横薙ぎに繋げて複数巻き込む。
「もう終わりだね」
「Gya、gya……!」
「はいはい、動かないの」
これじゃまだ倒しきれないけど、各個撃破に切り替えて倒しに回っていく。そして最後の1匹を倒すと、戦闘が終わったのかアナウンスが鳴った。
『種族LV、職業LVが上がりました』
『《戦鎚》LVが上がりました』
『《闘気》LVが上がりました』
「ふぅ、お目当てのは……あった」
地面を探ると、武器の欠片っぽいのが落ちていた。
種別:素材
名義:ボブゴブリンの武器破片
説明:ボブゴブリンが使っていた鉄製の武器の破片。通常の鉄より少し純度が良く、鍛冶士であれば集めてインゴットに出来る。硬石と組み合わせると火打石になる。
うん、これだ。他にも破片が落ちてたから回収して、急ぎながら浜辺へと戻って行った。そもそも火を付ける方法を探しに来ただけだしね。
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