(焼肉への)後一歩がまだ遠い
熊は雑魚敵に分類されるはずだけど、レベル10になった私でも力の差で押し切られない。その分機動力とかは私が上だけど、三連撃でそれも捲くられる。
戦鎚は受け流しには向かない武器。出来ないことはないけど、次の動きは後手に回ってしまう。だからこういう時は短期決戦かつこうやって!
「《先駆の一撃》っ……出の速い攻撃で潰すしかないよね」
「GauuuuuU?!」
もう片方の爪も破壊すると熊が目に見えて狼狽える。これで脅威を排除することができた。後はトドメを刺すだけっ!
最後の足掻きで怒り狂いながらも私を抱き潰そうと腕を伸ばしてくる。だけどそんな見え見えの攻撃に引っかからない。タイミング良く腕を足場にしてジャンプする。
「《強撃》!」
「GuuuuuU?!」
頭部にクリーンヒットし、何かを砕くような音を響かせ巨体が倒れる。素材も落ちたから討伐完了だね。
『《視力強化(羊)》LVが上がりました』
『《聴力強化(羊)》LVが上がりました』
『《戦鎚》LVが上がりました』
種別:食料
名称:クロウベアの肩肉
空腹度回復量:5%
説明:クロウベアの程良い噛み応えのある肩肉。それなりの値で売れるが、一流の猟師がやっとの思いで狩れるため認知度は低い。
種別:素材
名称:クロウベアの毛皮
説明:クロウベアから採取出来る皮。外からの衝撃を受け流すようになっている。防具などに使用すると打撃に耐性が付くかもしれない。
お肉! でも今は早く火打石を作るために行かなければ。確認も程々にしてまた走り出して少しすると、言われた通り岩が沢山ある場所に着いた。
「そのまま拾えないし、砕いた方が早いよね。ゴブリンも居ないし」
ファンタジー世界でよく見るような緑色肌の人型は居なかった。偶々かな? とりあえず大きく振り上げて岩を破壊する。何度も叩くと白石の欠片が手に入った。
種別:素材
名称:硬石の欠片
説明:手のひら大の鉄より硬いが装備には適さない石の欠片。鉄さえあれば火を付けることが可能。
うん、これでOK。後は鉄だけど……と、思って周りを見渡したタイミングで私は包囲されていたことに気付いた。そう、囲んできたのはゴブリンの群れだ。
「通してくれない?」
「「Gyagyagya!!」」
「無理そう……」
茶色の帽子を被り、視力強化の恩恵か小柄ながらも心無しか身体はガッチリしてるように見える。武器はそれぞれ違うけど、全員鉄の武器で間違いはないだろう。
……もしかしてだけど、ローガさんってゴブリンの武器から鉄を取った? あり得そうなのがとても困るけど、試してみたら分かることだ。
「私の焼肉の邪魔するなら全員叩きのめすからね……!」
「GyaA!」
ゴブリンの数は10を越えてるし空腹度は2割を切ってる。MPはそこまで余裕はない……つまるところ勢いで突発するしかない。しっかりと戦鎚を握り直して、今日最後の戦闘へと足を踏み入れた。
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