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花嫁は白亜城の生贄  作者: 久世 真緒
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私が花嫁候補となるまでの話

 メアリ姉様がいなくなってしまった、という話をギャレット伯爵の使いの方から聞いた叔母夫婦は、メアリ姉様のことはちっとも心配してくれてなかった。


「結婚の時にもらったお金なんて、もう無いわ。そんな余裕なんて、うちにはなくってよ!」


 叔母は何としてでも払いたくない、と頑なに断っていたが、使いの方はそんな態度を取られても気にするそぶりはなかった。


「ですが、花嫁がいなくなってしまったら話は違うと旦那様は仰ってます。返金できないのであれば、妹のアンジェリーナ様を花嫁候補にしていただきたい。アンジェリーナ様も美しく、花も恥じらうほどと聞いています。もし花嫁になるのであれば、お金の件は不問とするというお話でした」


 その話を聞いて、叔母夫婦は「何としてでも伯爵と結婚しなさい」「姉妹なのだから、姉の尻拭いは妹がしなさい」と目を血走らせながら私を説得しようとしていた。

 花嫁候補というのは、また花嫁がいなくなることがないように、しばらく伯爵の下で共同生活を行い、気が合う女性を花嫁にするため、何人かを候補とするのだという。

 伯爵に選ばれなければ花嫁になれず、メアリ姉様が結婚する際にもらっていたお金を返金しなければならない。

 もともと仕方なく引き取っていたのだから、私がいなくなって清々するとでも叔母は考えているのだろう。


 身寄りのない私には拒むことなどできない。それに、責任感が強く、よく私のことを気にかけてくれていたメアリ姉様が、何も告げずにいなくなるなんて考えられない。

 以前の私であれば、怪しい所に踏み込むことなんてしない性格だった。けれど、もう私には何も失う物なんてない。少しでも、ほんのわずかでもいいから、メアリ姉様の手がかりをつかみたい。

 私は、伯爵の城に行く決意をした。



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