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ONE HAIR

「こんにちはー」

「いらっしゃい」


 このお洒落でアットホームな美容室に来るとなんとなく安心する。

 観葉植物と壁にかけてあるレコードが特徴的な、そんなに大きくないお店。

 いつものお兄さんが出迎えてくれた。


「ブナくん、元気でした?」

「そうですね、まあ、この前言ってた大曽根サイファーに行ってきました」

「へー、どうだったんですか?」

「結構悩んだんですが、彼女ができました」

「えぇ、急展開ですね」

 そう言って、お兄さんは朗らかに笑った。

 僕の荒唐無稽な近況も、快く聞いてくれる。

 大きな鏡の前の椅子に座った。


 カットをやってもらいながら、この前の一件を一通り話し終えた。

「じゃあ今度はオムさんとバトルするんですね」

「そうなんです、もしかしたら――」

「もしかしたら?」

「あの人は今まで見てきた人の中で一番強いかもしれません」

「ふふ、強敵なんですね」

「いや、でもどちらかというと、なんでもないです」

「気になりますね」

 なぜ僕が言葉を濁したのか。

 それはあの人が――あの人は何も惜しむことなく、何もかも教えてくれそうな気がして。

 この感覚だけで勝てなくなるかもしれない。

 僕は無敵だ、その感覚に嘘をつかないように。


 お兄さんは鏡を持って、頭の後ろの方を見せてくれる。

「いかがですか?」

「いいと思います、ありがとうございます」

「よかったです」

「今度またコラボしましょう」

 お兄さんはギターとボーカルができる。

「ぜひ!」

「またお願いします」 

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