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VS アイコ

 『人類史上』が終わると、ステージから降りた爆笑オムライス博士がこちらへ近づいて話しかけてきた。

「君って、もしかしてブナ君じゃないかな?」

 ちゃんと返事をする。

「あ、はいそうですけど」

「栄のクラブで見かけたことがあるんだ。どうしてこんなところに?」

「えっと、アイコさんのラップが聴きたくて」

「ああー、年齢近いもんね。呼んであげようか?話してみる?」

「あ、いいんですか?」

「全然大丈夫だと思うよ。おーい、アイちゃーん!」

「はーい、オムぅ、この人は?」

 にっこりと僕に笑いかける。

「えーっと、覚えてないかな、この辺りにいそうって言ってたあの」

「もしかして、バチバチにディスの強いブナ君?」

「ああ、そうそう、普段話しているキャラは普通っぽいけどね」

「えー!そうなんだ」

「アイちゃんのラップ聴きに来たらしいよ。バトってみたら?」

 アイコさんはこっちを伺うように見ている。

 これは僕が何か言うべきか。

「ああ、別にいいっすけど、僕は無敵ですよ」

「ぷぷっ、はははっ」

 アイコさんに笑われてしまった。普通のトーンで言ったから。

「オム、そしたらDJ頼んできて! ブナ君は大丈夫そうだから」

 ん、大丈夫って、何が?


「自信なくしちゃう人が多いから、ま、やってみよっか。

 私のホームみたいなものだから私が先手でいいかな?」

「なんでもいいっすよ、こうなったらちゃんとやりますわ」


 トラックがかかった。わりとファンキーな感じ。


「アイコだからって絶対あいこなんてない 私の成長に最後なんてない

 一生、ヒット&(アンド)必勝 微笑しよう、ちゃんと実証

 して、男女なんてまるで関係ない 男の子に言い過ぎても反省なし

 フィメールが魅せーる消える魔球のよう 秘めーる冷えーぬ闘志、魔獣の如く」

「このバッドなバットで一刀両断 魔球もホームランにしようそうさ

 お互いただの魔獣でまずくない 性別関係なく熱くなり

 アイコさんとあいこなんてないっしょ 会場のブーイング無視して快勝

 くらいのモンスターハンター参上 この稼業はひたすら繁盛」

「食うか食われるかモンスター ライムの短さに見えている恐怖感

 つまり勝った方がただのハンター この熾烈なバトルはまだ終わんない

 あなたの目頭も熱くなってるでしょ 負けそうって自覚あるから見える死角へと

 そこへ叩き込むのがこのバース けたぐりのようにころばーす」

「長く踏むだけじゃ、能がなーい ただ作る過程が、爽快なーり

 この涙はそのライムを嘲笑うもの 転んでも立ち上がってただ語るもの

 何があっても絶対負けない 勝ち上がってこう、限界はない

 この描いた世界を領域展開 アクセルを全力で踏んで調子全開」

「泣きも笑いもしないけど最後のターン あなたが勝ったなんて、はい、ジョウダーン

 さらに強い領域で塗りつぶす この限界突破のスキルフル

 私だってあなたを冷笑 掴みとるのは彼方の栄光

 女子高校生最強ラッパーアイコ! 追い込んでハイ!アッパー!最高!」

「アッパーなのは俺のスキル 避けるのは簡単なのさそれに尽きる

 何が本当の強さなのか 踏むだけが本当のすごさなのか

 問いかけても答えなんてない 答えても誉なんてない

 どこまでも続く俺のラップ道 言葉でも括るとめどなくとも」


 二人に対して大歓声だった。

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