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大曽根のクラブ

 予想外の予定で遅れてしまった。

 時刻は22時を過ぎたところで、霧に近いような小雨が降っている。傘を握りしめて大曽根サイファーが行われているクラブへたどり着いた。

 本来なら大曽根サイファーというイベントは大曽根駅の野外で行われるが、今日は雨天なので屋内になるということらしい。


 会場へ着いて、参加料を支払うとビートとラップが脳内に入って来た。

 そうだ、この声――


 彼女こそが今まさに僕が注目していた、女子高校生最強ラッパー、アイコ。


「私は私であることを誇る 悲しさはなしで勝つことの恐怖

 まったく隙のない武器ばかりのギフト 倒し飽きたわ、代わりの効くの

 それでも男子は代わり代わり聞くの 「彼氏はいるの?」って、いないって可愛い嘘

 ついて大振り隙だらけの大技に この世のすべてを壊すようなスキルに込めるこの魂」


 ――すごい。

 同じ年齢ということが恐ろしいくらいのスキルだ。僕と同格、あるいはそれ以上。

 後ろにあるソファーへ座った。


 そう、僕は彼女と会って、何か得られるものがあるのでは、とやって来たはずだった。

「それでは今日のトリやらせていただきます。『人類史上』」


「そう、ただ自由であることを誇るオレが 初っ端、奇襲選ぶ、心を折るこれさ

 非常に異常くらいに器用な尋問さ 思考し指導すら意識飛ぶか、心臓が

 弱いとショック死確定 今日も今日とてドープに発明

 ライム著作権にひっかかるぜみんな だいぶ語学系につっかかるぜ実際」


 なんだこのフローは!?

 鎮座DOPENESSとR-指定を嘲笑っているような錯覚。


 これが「爆笑オムライス博士」との出会いだった。

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