転校生
今時、勉強なんてネットでいくらでもできるが意外とみんなやらないんだろう。だから僕にとって学校は友達と遊ぶところでしかない。
たとえ天下無敵や天上天下唯我独尊だったとして、友達は単純に大事にしようと思う。普段つるんでいるのはデヨとエヤで、デヨはひょうきん者、エヤは癒し系という感じだ。
着席し朝のホームルームの時間になったが、なんと転校生がやってきた。
「HEYYO!!と栄養摂りDABOばりにターボ成長する俺の 名前はツヒだぜ、ついにきたぜこの汚名
返上するためにラップ刻む 心の中の最強の俺がアップし出す
ターゲットはブナ、よく言うな!手前味噌 テメーとは会っているんだよ、前にも
クラブでの借りを返すときがきた このバトルでは完全に俺の勝ちだ」
急にツヒさんはラップし出したので(トラックもない)、先生がつっこみを入れる。
「はーい、独特な自己紹介ありがとう。今日からみんなとクラスメイトになるツヒさんです。ブナくんとはクラブで会っているのかな? ん?二人はクラブに行ったことあるの?」
僕は間髪入れずに答える。
「行ったことありません」
するとツヒが続けた。
「妄走族だバカヤロウ!」
「まあちょっと意味がわからないですがいいでしょう」
先生はノリに押し切られていた。
授業が終わって放課後になった。
「ブナさん!」
「はい」
すぐにツヒが話しかけてきた。
「ラップバトルしましょう!ラップで殺す!」
なんなんだと思ったが、一緒に白い目で見られるのも嫌だ。
「サイファーならしますよ」
「おっ、じゃあそれで!いきます!」
はえーよなんなんだよ。
Youtubeからサイファー用トラックが流れる。
「俺がツヒ、TWIGYに並ぶ逸材 そう思いたい並べるのはいつだい
そうやって自問自答してぐんぐん伸びる 少年だっていつか老いる
その時がくる前に掴むサクセス 今日も滑舌、絶好調で爆裂
最高の流れのトップバッター 今日もやってやるぞ切った張った」
「一応、2番手、になって担ってく 僻んでる嫌ってるやつのしまっている
コンプレックスを悲劇的に刺激し 見るも無惨な危険な奇形に
音符でクスッとやるそんなマスター 見た目じゃねーんだ、こんなカスが
そう思われたって容赦なし どう見られたって超ヤバイ」