VS 爆笑オムライス博士(前夜)
サイファーが終わってソファーにアイコと座っていると、オムさんが話しかけてきた。
「暴君ブナ、調子よさそうだね?」
「そうっすね」
即答すると、アイコがオムさんに言う。
「ブナくんは調子悪かったとして、オムぅには負けないし、暴君じゃないよ」
「アイコは盲目だねぇ」
「いいじゃんねー?」
僕はアイコを見つめた後、オムさんに目線を送った。
「いつやりますか?」
そう尋ねてみた。
「それじゃ、明日、ここでやろう」
「わかりました、よろしくお願いします」
「ははっ、ブナくんらしくないねぇ、もっとこうフランクにくりゃいいのに」
「過去一強いってわかっている相手に、そんなことできません」
「おお、嬉しいね、そんなに認めてもらってるとは」
「でも負けません」
「僕もそんなつもりはないよ」
「はい、じゃあ、ここで三人でサイファー!」
アイコが大声で言うと、DJがトラックをかけてくれた。
「私が一番手、ブナくんの一番 最初から気になって、好きって聞きたい
気持ちもパワーも弾けそう 盲目でも惚れたもん勝ちでしょう
ブナくんになら殺されてもいい 地獄の底に落とされてもいい
二人で一緒にいられるなら きっと素敵な地獄の景色見れるから」
「二番手ブナ、まあ、地獄ならソロで 閻魔と闇取引しようさそこで
周りのすべてを幸せにする奇術 無視する外野からのブーイング
立ちはだかるものはすべて倒す バチバチにディスると告げて罵倒
どこまで行っても僕は僕 布石・伏線最後まで超稼働」
「じゃ最後のオムが経典を読む みたいな意外でもない節制を説く
いやお熱いお二人におあつらえむき ラブソングとか固く砕けずに
歌っても脱兎の如く逃げる恥ずかしさ 初恋はいつの間にか消えて懐かしい
これが今回最後のバース 込めたこんなに最高のラーブ」