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⑻『地獄の宿』
⑻『地獄の宿』
㈠
物事の終着というものはない、収斂されていくものも、収束していくものもあるが、終着はない。どこまでも、我々は生きていかねば、ならないのであって、俺の場合は、その途中で、この地獄の宿で、長期休憩しているということなのだ。
㈡
それにしても、であるのだが、俺はこの地獄の宿が、書きやすくて、正直、書いていて驚いている。実際、生まれた時から、俺は地獄に居たんじゃないか、だから、今、心地が良いんじゃないか、と想像する程である。
㈢
それはそれで、そうだったなら、それで良いじゃないか、と俺は俺に言う。例えば、無印良品の、展示椅子くらいのものは、地獄の宿に所狭しと、置かれている。こんな快適なスペースなんて、現世には無印良品にしかなヵったよ、すごいな、地獄の宿。