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かみさまなんてことを  作者: あんぜ
第三部

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第21話 選ばれた四人

 キリカに案内されて、ハルとアオが借りたという下の階の部屋に行く。ルシャとアリアを伴って現れた元騎士団長に、アオはぎょっとする。


「本当にユーキなの?」


「騎士団長嫌われてんな。なんか顔以外は同情するわ」


「こんなのに同情しないでよ!」


 アリアはお怒りだ。


「だって身内からは毒を盛られるわ、ハブられるわ、良識のあるみんなからは毛嫌いされるわで哀れだわ」


「ただハブられただけじゃ騎士団長には成れないわよ。大臣には愛されてたみたい」


 アオの話に驚く。確かに騎士団長を知ったのは最初、大臣からだったが。


「大臣はこいつの味方なの?」


「大臣のお兄さんに当たる人の孫で、そのお兄さんが溺愛してたらしいわよ。見た目もそっくりだったそうだけど、あの大臣も、彼を私たちに引き合わせたときに褒めちぎってたわ」


「大臣かあ。ありえるなあ」


 何がと問われるので、話が長くなるから後でと断り、ハルの様子を伺った。



 ハルはベッドに座っていたが、右肩の周りに包帯を巻いていた。


「やあユーキ。この間は悪かった。ほんとすまん」


 顔を見るなり謝ってくるハル。


「私も。知らなかったとはいえ、ごめんなさい。辛かったわね」


 アオもハルの横に並んで謝ってくる。


「平気平気。こんなの誰もわからないから。気に病むなら今度何か奢ってよ。あいつ、娼館で豪遊して祝福授かりまくってるみたいでたぶん金欠なんだ俺」


「そうだな。ありがとう。あと田中って誰だっけって後で思った。忘れてたよ」


「クラスの田中君はそっち系の話が多くてちょっと引くわよね」


「田中――ほとんど喋ったことないし、女癖も悪かったけどなんかスマン……」


 田中は置いといて、ハルの傷の様子を聞く。キリカに聞いた通り、負傷そのものは治っているが、まともに剣を振れないらしい。肩に現れた模様から、呪いだそうだ。


「呪いは地母神様の怖い面なんだって。悪い魔女が使うって聞いた」


「俺が重要なことを喋れないようにしてるのも呪いらしい。ハルカが解けなくもないって言ってたから聞いてみよう」


「ハルカ?」

「ハルカに会えたの?」


「ああ。今、孤児院に居るから後で連れてくるよ。さっきも一緒に行こうって言ったんだけど、あいつ自由だから聞かないじゃん?」


「それより大丈夫なの? その、修羅場的なやつは……」

「――ハルもそんなストレートに言わない!」


「ま、まあなんとか? でも後で解決してからちゃんと話し合う」


「ちゃんと話し合いなさいよ」


 二人には今のハルカの様子を説明したが、自由すぎて頭を抱えていた。転生した理由についてはハルカが必要なら話すだろう。まだそこまで説明しなくてもいい。



 ◇◇◇◇◇



 その後、ハルカを迎えに行くと、ヘイゼルと二人で掃除をしまくってたらしい。私の妹は頼もしいとかなんとか言って。アリアたちには夕食を準備してもらい、ハルカを連れてハルとアオの部屋に行く。



「蒼ちゃんだ! 久しい~」


 ハルカがアオに抱き着くが、アオは驚いて体を離す。


「えっ、この美少女がハルカ? すごっ、ちっちゃいしお人形みたい」


 アオが撫でまわしながら言う。


「容姿に希望は無かったけど、地母神様がサービスしてくれたの。でもね、この容姿だから売られちゃったみたいでー」


「ええっ、可哀そうに~。苦労したんだね~」


 今度はアオがハルカに抱き着いて言う。ハルは口を半開きにして驚いてる。


「川瀬君もおひさしー。どうしたの? 惚れちゃった?」


 ハルカはアオに抱き着いたまま挑発してる。


「えっ、あっ、いやそうじゃなくて」

「ハルもそんな呆けてないの」


「ざ~んねん。川瀬君への恋はもう破れたので、今更遅いで~す」


「あっ」

「えっ――」



「――どういうことっ?」


「あー、つまり、俺が振られた理由。ハルに恋したからだって」


「ハルカ!? あのとき悩み事って言ってたの、もしかしてそれ!?」


「ごめんね。そういう理由だから話せなかったんだ。それに、告白してすぐこんなことになったから……」


「はぁ……、まあ今更言っても仕方ないわね」


「召喚されたのって振られた翌日だったのか?」


「祐樹は学校に来なかったから……」


「その辺の記憶が無いんだ。覚えてなくて」


 三人には召喚の直前までの記憶があるみたいだけど、俺にはハルカに振られた後の記憶がない。光の魔法陣。おそらくリーメの使うような魔法の模様にそれぞれ別の場所で取り囲まれてあの白い空間に飛ばされたらしい。地母神様が呼んだのだとしたら、この四人を選んだということになるのか。


「とにかく、今は元の体を取り戻さないと。皆に協力してほしい」


「水臭いこと言うなよ」

「もちろん」

「最初に協力するって言ったでしょ」


「ありがたい」



 ◇◇◇◇◇



 まずはハルカにハルの呪いを見てもらった。結論から言うと、呪いの掛けられた武器を使って傷つけられているから、呪いの武器そのものを清めるのが手っ取り早いらしい。そうじゃない場合は神託と同様に面倒な手順を踏む必要があって、今すぐには何ともならないそうだ。


「そもそも呪いって魔女の得意分野でしょ? わかんなかったの?」


「いやいや、そんな魔法は無かったし」


「同じタレントでも得手不得手があるらしい。勇者なんか、おれとアオで内容かなり違うもの」


「あら、でも後から覚えられる魔法もあるでしょ。地母神の魔法にもあるんじゃないの? 主神の聖堂みたいなとこ。回復魔法とかそこで覚えられたわよ」


「地母神様の神殿か……ある……けど、娼館街なんだよな……」


「ちょっと今回はおれ無理そうだなあ。サポートに徹するよ」



 ◇◇◇◇◇



 次に俺たちは夕食をとりながら、奴、エイリュースを捕らえる方法について、情報の共有と方法について話し合った。ただ、ハルカの従者さんが――聖女様は直接の戦いには参加させられない――と強く反対したので、実行時には二人で安全な場所でいてもらうこととなった。


「作戦の要は《豪運》の祝福を得ているヘイゼルとルシャなんだけど、ルシャは接敵されると危険な上に、奴から逆に狙われる可能性も高い。できれば接触はヘイゼルにお願いしたいんだ」


「はい! 尽力いたします!」


「いやあの、強制じゃないんだよ。相手が相手だし、傷つけるとも思う。それでもいい?」


「これ以上、エイリュース様が道を踏み外す前に止めます」


「――そっか。わかった」



 ハルとアオのできることを聞くと、ハルの方が補助や魔法、アオの方が攻撃寄りの能力らしい。ただ、どちらも城で覚えられる基本的な魔法はひと通り習得しているそうだが、最初から持ってる能力や魔法の方が得意らしい。


「ヘイゼルが接触した後はアリア、アオ、キリカ、リーメで囲んで捕まえよう。キリカはルシャがサポートして。いちばん防御が薄いから。ハルはアオのサポート、俺はあまり役に立たないけどアリアをサポートする。リーメは強いから一人でいけるよね。あの竜の魂とか」


「あれを使うならユーキの心臓を捧げるぞ」


「無茶言うな……」

「えっ、ダ、ダメだよ」


「なら二首で」

「屋根の上とかから豹で見張っててくれるほうがいいかも」

「りょ」


 せっかく体を取り戻しても生贄にしたら意味がない……。仕方がないので、リーメは偵察と連絡を頼むことにした。


「みんな、無理はしないで、まずは防戦から時間稼ぎを考えて。俺の体の方はルシャが居るから手加減無用でいい」



 ◇◇◇◇◇



 その後、リーメに《物探し》で俺のギルドカードの探索を行ってもらう。場所次第では、人の多い昼間よりはこのまま夜襲した方がいいかもしれない。ただ、残念ながら奴は娼館にいるようだった。


 娼館への襲撃はさすがに無理なので、早朝に決行することになった。ただ、ハルカは朝のお勤めがあるのでちょっと遅れるみたいなことを言うが、大丈夫かこれ。


感想たいへんありがたいです。

完結したので設定予想・展開予想は自由に書いてくださって構いません。

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