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かみさまなんてことを  作者: あんぜ
第一部

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28/92

第28話 エピローグ

 翌々日、シーアさんからの手紙が運ばれてきた。ギルドのお偉いさんも一緒にやってきて、いろいろと情報を貰った。



 まず、れいの娼館は経営者と従業員、それから出入りしていた貴族の手の者、出資していた貴族、全員に罰が及ぶようだった。貴族以外は既に捕らえられているらしい。もちろん、神殿の魔女さんたちは契約不履行で店から賠償金を踏んだくるつもりらしい。名前に傷がついたとかなんとかとも。


 冒険者ギルドについては、アリアたち《陽光の泉(ひだまり)》に正式な謝罪と共に冒険者たちへの告知を行ってくれるとのこと。それからまた貴族の干渉を受けないよう従業員たちは保護されると共に賄賂などの監査をうけるよう、今後、国が変えて行くそうだ。ま、いいんじゃないかな。


 れいの貴族についてはアリアが聖騎士になったこともあって干渉できなくなったようだ。ただ今後は逆の意味でアリアが注目されていく可能性があるらしい。それはそれで面倒だなあ。俺の恋人なのに。


 大賢者様はというと、れいの鍵の祝福を実践したことについてシーアさんから少し聞いたらしく、今度行くわ!――みたいなノリで孤児院来訪を告げてきた。表向きは孤児院の下の子たちのタレントを確認し、祝福に来るらしい。いやそれ俺でもできるよね。



 ◇◇◇◇◇



 さて、そんなところで徐々に平常運転に戻ってくる。


 朝早くにアリアとギルドまで一緒に歩く。違うのは手を繋いでることだ。腕を組んだり女性が男性の腕を取ったりはあっても、手を繋いで歩く習慣はあまり無いようで、アリアはすごく照れるが、前の世界の恋人がこうやると教えると喜んでくれた。おれも高校生に戻った気分になれて楽しかった。


 ちなみに恋人繋ぎと言われるやつは、思ったより指の間に骨が当たって痛いので教えてない。



 ギルドでは以前と違って皆が声をかけてくれる。アリアは照れているが嬉しそうだ。あと、アリアが距離がやたらと近いのは俺だけだったようでちょっと安心した。――いや、すごく安心した。見ていて安心できるので、わざわざ恋人面してアリアに嫌われることが無さそうなのでよかった。


 依頼はどちらかというとゴブリンの巣穴を発見して報告することが多くなった。なぜなら、より大きな巣穴や大型の怪物を狙うことが多くなったからだ。場合によっては報告の前にその場で倒したりしている。魔石の収入だけでも大きいからだ。



 孤児院では毎朝、ルシャの《聖餐》によって一日分のやわらかなパンと清浄な水が得られるようになり、食糧事情がずいぶんと改善されていた。


 また、三人の独り立ちのための準備も進められていたが、ルシャは孤児院に残る可能性も高そうだ。最初の予定では俺たちの住む宿に部屋を借りる予定だったが、もう少し大きめの部屋のある宿か、アパートメントと呼ばれる街中の集合住宅を借りることも考えていた。


 ただ、もうひとつ大賢者様から提供された案があった。それは、聖騎士,剣聖,聖女が居るため、貴族街の小さい空き屋敷を買い取ることができるという案だが、まずは孤児院を安定させたいのが皆の目的だったため、とりあえずは却下された。



 パーティでの活動は、まず馬車を使うようになった。馬車と言ってもただ荷物を運ぶだけのものなので、たいていは誰かが御者をして残りは歩きなのだが、大型の怪物を狩った後は重宝する。街で売れる部位が大幅に増えるのだ。


 そして戦闘。ほとんどの場合でアリアの聖騎士の力は必要なく、彼女も無いに越したことは無いと考えているようで、普通に剣士の能力で戦っている。またキリカは近接戦なら敵なしではあるが、ほとんどの場合ルシャが狩ってしまう。


 ルシャは元気になった。『神の愛娘』こと聖女はその名の通り神々の寵愛を受け、聖騎士と同じく《病気耐性》を持つだけでなく、《癒しの祈り》で怪我や病気、毒などを全て回復してしまう。元気になったらよく食べるようになった。稼ぎもあるので遠慮することなく食べさせてあげられるのが嬉しい。


 そのルシャだが、矢に聖女の力を乗せて飛ばせるようになってしまった。大型の怪物でさえ狩る威力で、キリカでさえ舌をまいている――のだが、実は理由が他にもある。


 リーメは相変わらずで、ときどき範囲魔法をかまして悦に入っている。ルシャは事あるごとに――リーメもユーキ様の祝福を貰うといいよ――と提言するのだが、ものすごく嫌そうな顔を返すのでちょっぴり傷ついたりしてる。ルシャもルシャで気軽にティータイム感覚で誘うのはやめて欲しい。



 俺とアリアはたまに孤児院に泊まる。孤児院の仕事を手伝う――というのは表向きで、実はルシャが俺に祝福を求めてくるのだ。ルシャはあの神様との対話の際、どうも祝福の()()()()()を確認してきたらしく、それをアリアと共有しているようだった。


 祝福での逢瀬であれば鍵のタレントの祝福もそのまま維持されるらしく、ルシャは常に山ほど祝福がかかっている。そのため、やたらと矢の威力が高かったり、やたらと運が良かったり、やたらと健康だったりする。


 ルシャに言わせると、今からたくさん祝福をいただいておき、聖女である必要がなくなった暁には、地母神様にも報いるべく、たくさんの子を()したいというのだ。


 そしてそれを必ず横でみつめるアリア。ルシャが心配だからというのは通じなくなったので、恋人ですからとか、第一夫人ですからとかいろいろ理由が付き始めた。ルシャもいいかげんアリアも祝福を貰えばというが、今は恋人を楽しみたいとかなんとか言って拒んでいるらしい。俺もそんなアリアとの恋人関係自体はすごく楽しいんだけれど、()()はどうなのって思ってる。


 第一部 完


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