05 導き
さらりと問題を解決してくれたのは、
頼りになる"導き手"様、でしたよ。
少々呆れ顔 (?)のモルガナさんのアドバイスは、
『おふたりは、もっとがっつり寄り添うが良い』でした。
寄り添うとは、お互いを信頼して支え合うこと。
苦手があるならふたりで乗り越えれば良かろう、と。
つまり、これまで独り身だったキルミネウスさんの家事能力で手助けしてあげなさい、なのだそうです。
もちろんキルミネウスさんの方も冒険者スタイルの男飯やワイルド家事なのですが、
どんなに四苦八苦の試行錯誤でもふたりいっしょなら楽しかろう、ですって。
実際、それで上手くいっちゃうのが、"導き手"の実力なのでしょうね。
共に質素な暮らしを営んできたおふたり、
すでに蓄えは万全、ならば今さらお仕事なんてせずとも、
終日お好きなだけべったりも可、なわけで。
そんなこんなで、あれからぴたりと寄り添って家事仕事に精を出すおふたり。
仲睦まじいどころでは無いのです。
なんだか以前よりも遥かに濃密な、四六時中のらぶらぶっぷりなのです……
はい、モルガナさんのアドバイス、大成功!
うん、さすがはモルガナさん、
これぞまさしく歳の功、
つねり
いてぇ!
「皆さん、うだうだ悩んでいないで」
「さっさと"導き手"に相談すれば良かろうなのに」
「全く、何年気を揉ませ続けるのやら」
えーと、何十年では?
つねりっ
イッテェ!
「この件の報酬は"サイリウム"食べ放題くらいでは済まされぬと知れ」
「アレしてコレして、枯れ果てるまで吸い尽くしてくれるわ」
……密着、します?
「えっちっち"セクハラ仙人"め……」
いつでも来やがれ、ですよぅ。




