20 変化
そんな感じで、身の回りにちょっとだけ変化が訪れました。
ライブレンさんは、時々訪ねて来て、リラックスモードを楽しんでいる様子。
つまりは、我が家でハンモックお昼寝したり、事務所でおやつをパクついたり。
どうやら、騎士さまでも貴族さまでもない、普通の友人として過ごせることが、とてもうれしいみたいです。
でも、あの乙女あしらいの上手さこそが、身体に沁みついたイケメンの証し。
どんなにのんきに過ごそうとしても、イケメンと普通の人の間には、純然たる格差が存在しているのですよ。
「今度、正しい引きこもり方を教えてください、サイリさん」
……さわやか笑顔でなんてこと言うのかな、このイケメンさんは。
ほら、僕がみんなからめっちゃ睨まれてるし……
……
ゾディは、ドールボディをとても楽しんでいる様子。
どうやら、『ゾディアック』や『ハラショー』での活動と、
自前のドールボディでの行動では、結構感覚が違うようですね。
つまりは、ちっちゃい身体で出来ることを楽しみながら、やんちゃに駆け回っているのです。
『お庭の花壇の周りを全力疾走するのは、サイコーに楽しいのでありますっ』
そのドールボディは、基本的には『ハラショー』タイプの非戦闘型ボディだから、あんまり暴れ回っちゃ駄目だよ。
『大丈夫でありますっ』
『アリシエラ博士からコレをいただいたのであります!』
えーと、ちっちゃな……瓶?
『ドール用滋養強壮エナドリ『魔素ビタンG』でありますっ』
『一本飲むだけで、余裕で完徹OKなくらいにハイな気分になれるのであります!』
えーと、身体を壊すから飲み過ぎ禁止だよ、ゾディ。
ってか、なんで"ジー"じゃなくて"ゲー"なのですか、アリシエラさん……
『服用目安は一日一本、かしこいドールのお約束でありますっ』
あと、チュースさんたちがおねむの時は、お庭で騒いじゃ駄目だよ。
『こっそり確認するであります』
ゾディが、チュースハウスへのハシゴを、ちょこちょこと登っております。
結構大変そうですね。
チュースさんやエリスさんは、めっちゃ素早く昇り降り出来るんだけどな、あのハシゴ。
『……お静かに、であります』(小声)
どれどれ、ちょいと覗いてみましょうか。
チュースさんとエリスさんが、
ぴたりと寄り添いあい、まん丸になって、おねむ。
ほう、おねむ姿に触れられるのを何よりも嫌がるエリスさんが……
よきかな。
あとがき
ユルく続けたいのなら、推理モノは鬼門。
でも、一回やりたかったのです……
(ちなみに、サイリさんが思い出した"幌馬車『シブマ1号』開発秘話"は、リヴァイス05でのエピソードとなっております)
つまりは、これからもこんな感じでよろしくお願いします。




