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02 日替わり


 そんなわけで、王都城下街をてってけ走っている、僕。


 なぜ走るのか。


 そこに道があるから。



 では無くて、


 がんばって夕飯までにお腹を空かせてから帰らないと、


 プリナさんの美味しい夕食をお残ししちゃうからですよぅ。



 連日、午後のティータイムに、乙女手作りスイーツ×3を、


 チカラの限り堪能しているわけで。



 いや、本当美味しいんだもん、アレ。


 でもさ、夕飯お残しなんていう大罪は、


 家長としては絶対やってはいかんNG行為なわけで。



 もちろん、手作りスイーツお断りなんて、


 所長としては絶対やってはいかんNG行為なわけで。



 家長と所長、まさに、板挟みなピンチ。


 えーと、挟むって、確か"ピンチ"だから、


 まさに、ピンチなピンチ!



 いえ、余裕があるわけでは無いのです。


 その証拠に、へろへろで走ってる僕を見て、周囲から好奇の視線バリバリ、


 それでも、ひと目もはばからず、王都の通りを全力疾走中!



 ……ごめん、嘘ついた。


 全力疾走なんてしちゃったら、いつものごとく酸欠・貧血でブッ倒れますので、


 マイペースでジタバタ迷走中、ですよぅ……



 ……



 そんな感じで日々、爆発しろ案件と孤独に闘っている、僕。


 うん確かに、おなか周り爆発しろ案件だよね、これ。



『『リサイリー』活動に必須な魔導スーツ『クロッカス』は、装着者の体型の変化にとても敏感なのです』

『出来ればもうちょっと、暴飲暴食は慎んでいただければ……』


 ……すみません、アリシエラさん。



 ただ、みんなの生活の番人『リサイリー』活動と同じくらいに、


『ルロリーサよろず相談所』所長は僕にとっての大切な生活の一部。


 どちらも僕にとって甲乙付け難い重大事なのだから、


 出来ることは、誠心誠意全力で突っ走るのみ!


 ですよぅ……



 ……



 はい、お約束ですよね。


 お腹を壊して、お仕事病欠。



 ええ、我が家のみんなから、こってりと叱られましたとも。


 意地っ張りも大概になさい、と。



 でも、おかゆもすっごく美味しいですよ、プリナさん。



「……」


 ……ごめんなさい。



 ……



 病欠明けの出勤は、ごめんなさい合戦。


 いえ、今回も僕の意地っ張りのせいですから、皆さんはお気になさらず……



「しばらくは、おやつ抜きで……」


 いえいえ、リーサリアさん。


 僕のせいで楽しいおやつタイムが無くなるなんて、それこそ自分が許せないです。


 ここはぜひ、僕を助けると思って、おやつタイム存続を……



「では、3人一緒にではなく、日替わりの持ち回りということならいかがでしょう」


 ロミエスカさんたちの負担とならないようでしたら、ぜひ。



「実は、毎日だとちょっと大変だったのです……」


 これからは言いたいことをちゃんと言い合える職場になるようがんばりますね、ルシェリさん。




 そんな感じでスイーツ騒動もひと段落。


 僕のおなか周りもひと安心。



 そんな中、ついにアレが届きましたよ。



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