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15 相談


「かなり、困っているのです」



 イケメンライブレンさんのお悩み相談は、


 イケメンらしく恋愛相談。


 いや、正確には、抗えない方面からの圧で、恋愛成就を画策されているという、


 かなり困った状況の模様。



 ライブレンさんは名家の御出身。


 エルサニアの上流階級でも、かなりの影響力を持つ家柄だとか。


 そんなわけで、身辺に関する身内からの口出しが、相当にうるさい。


 特に、ご実家の母方祖父母方面から。



 恵まれた環境と厳格な教育、


 びっくりするほど真っ直ぐ育ったライブレンさん、


 浮いた噂ひとつなく、現在白狼隊隊長としてお仕事一筋。



 でも、周りはほっとかないのですよ、こんな超優良物件。


 それでも、ご家族友人のガードのみならず、


 なによりご本人の鋼の意志にて、騎士道人生まっしぐら。



 ただ、祖父母さんとしては、そろそろ落ち着くとこに落ち着いてほしい、と。


 最近は、お眼鏡に叶う御令嬢を全力でリサーチの毎日。


 もちろん、そんな状態のご実家からは、ますます足が遠のく、当のライブレンさん。



 そんなある日、たまたま通りがかった商店街でひったくりにあったお祖母様を救ったのは、


 凛々しくも見目麗しい、正義感あふれる御令嬢。


 つまりは、ルシェリさん。


 自宅って言うか、お屋敷まで送ってくれて、


 御老人が落ち着くまでお話し相手もいとわない優しいお嬢さん。



 可愛らしくて、めっぽう強くて、真っ直ぐに優しい。


 心技体、まさにパーフェクト乙女に、お祖母さん、一目惚れ。



 噂やら調査内容やら、知れば知るほど素敵な、お相手候補。


 で、本決まりにリーチ状態でロックオンされたルシェリさんは、


 コネやら何やら画策されて、自然な形で引き合わせるため、今回の事件に呼び出されちゃった、と。


 殺人事件現場での出会いが自然な形かどうかはともかく。


 もしかして、ドッキドキの吊り橋効果狙いですかね。




 もちろん、この件にはライブレンさんは完全ノータッチ。


 ここに来る直前に知らされたとか。



 先方のお嬢さんにご迷惑をお掛けしないようにとの心づもりでここに来たそうですけど、


 直接ルシェリさんに会っちゃったら、ねえ。



「これから先、何があろうとも、このような謀り事を踏み台にするなど騎士の名折れ」

「事件解決のため真っ直ぐに仕事に向き合っておられるルシェリさんにとって、こちらの都合は異物、いや汚物」

「せめてこの件の解決までは、サイリ殿にご協力していただきたく……」



 分かりました。


 ルシェリさんが捜査に集中出来るよう、僕も全力を尽くします。


 ただ、ひとつだけ約束してください。



「?」


"殿"っていうのは、やめてほしいです……



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