14 問題
全員への聞き取り調査でも、特に進展は無し。
関係者それぞれ、被害者に思うところがあったようですけど、
いかに人の命が軽いこっちの世界とはいえ、
さすがに密室殺人しちゃうほどとは……
それよりも今 気になるのは、
イケメンライブレンさんがルシェリさんに注ぐ熱いまなざし、でしょうか。
積極的に話しかけたりはしてきませんが、
明らかに気になっている様子。
まあ、ただでさえお綺麗なルシェリさんが、うちの事務所自慢の制服姿ですもん。
そりゃあ目も釘付けってなもんでしょうよ。
「お手上げ、でしょうか、サイリ殿」
……面目ないです。
ところで、ライブレンさん。
なぜ僕らが呼ばれたのか、そろそろお話しいただければ……
「……後ほど、ご相談したいことが」
分かりました。
そういえば、先ほどの聞き取りで気になったことがひとつだけ。
「?」
被害者とムーレアビスさんは以前お付き合いしていたそうですが、
別れた原因、聞いています?
「確か……共に生活する上での我慢出来ないほどの醜態、でしたか」
?
「寝相がめちゃくちゃ悪くて、歯ぎしりが酷くて、寝言がうるさすぎた、だそうです」
あー、百年の恋も一瞬で冷めちゃう、みたいな。
「まあ、大人同士ですので、程度問題だと思うのですが」
……僕も気を付けねば。
……
この研究所は事件現場ではありますが、
すでに所内各所は隅々まで捜索済み、とのことで、
今も全員、ここで暮らしております。
大きな建物ですので、お部屋はダダ余りでして、
僕たちは適当なお部屋を宿直室代わりに。
敷地の周りで警備している白狼隊の皆さんも、交代で休息をとるそうで、
僕らもそろそろ。
チルミッセラさんのお料理は、なかなかのモノでしたが、
僕は、ほら、舌が肥えちゃってるので……
つまりは、とっとと終わらせて、早くプリナさんのお料理を食べたいな、ですよ。
残念ながら、じゃなくて、
もちろん、ルシェリさんとは別のお部屋。
で、なぜかライブレンさんと相部屋に。
それは構わないのですが、
真剣な表情のライブレンさんから、突然告白されまして……
いえ、僕宛てじゃないですよぅ。




