わたし、家族でいうと祖母似なんですよ。
誤字直しました。ありがとうございました。
「……先輩方はご存知ないかもしれませんが……実はわたし、ハウウェル侯爵の孫なんですよ?」
にっこりと、口元だけで薄い笑みを作る。使用させて頂きましょう。ハウウェル侯爵の七光りを。
「は?」
「っ……」
なに言ってんだコイツ? 的な視線がわたしへ向けられ、次いで先輩達の頬が赤く染まる。
「まぁ、確かに。わたしは両親に疎まれているでしょうね。ですが、それがなにか? 貴族間では家族の不和、不仲だなんて、よくある話でしょう? 大して特筆すべき話題でもないのに。そんなに大声ではしゃいで、得意げに触れ回らなくてもいいじゃないですか。ああ、それとも、先輩方のご家族は他人様に自慢できるくらいに、とても仲が宜しいのですか? それは結構なことですね」
「……ネイサン様……」
わたしの言葉に、なんともいえない悲しそうな顔をするライアンさん。いや、ある程度は当て擦りやイヤミ混じりなので、そんな顔はしなくてもいいんですけどね。
「それに、二つ程訂正をさせて頂きます。わたし、家族でいうと祖母似なんですよ」
「はあ?」
「それがなんの関係がある!」
「若い頃のおばあ様に似たこの顔は、侯爵であるお祖父様に殊の外気に入られていて、とても可愛がられているんですよねぇ?」
「ハッ、そんな見え透いた嘘を!」
「侯爵の名を出せば、俺達がビビるとでも思っているのかっ!?」
「ふふっ、先輩方が信じないのは自由ですよ? ですが、もう一つの訂正を。母がどう言ったか、先輩方がなにをどういう風に聞いたのかはわかりませんけどね。わたしとセディック兄上……セディーは、とても仲良しな兄弟なんです。わたしは先輩方に興味は無かったので、至極どうでもよかったのですけどね。多分、先輩方の家へ苦情でも入れたのは、セディーの方だと思いますよ?」
わたしに身に覚えが無いのは当然として。
根拠は、ライアンさんと言ったところでしょうか? まぁ、ライアンさん本人が、あのことをセディーに報告していたのかはわかりませんけど。セディーを慕う後輩(わたしからすれば先輩ですが)は、なかなか多いみたいですし。
わたしが知らないだけで、ライアンさんの他にもセディーに雇われる予定の人がいても、なにもおかしくはない。
先輩方がお勉強会だと称した……セディー曰くのネイトへ勉強を教える為の練習とやらは、上位クラスを中心にして、わたしの上の学年の現二年生の生徒まで見ていたようですし。
このアホ先輩共は、こうして人目がある場所でも気にせずにわたしに絡んで来ることだし。それなりに目撃者もいて、情報を集めようと思えば簡単に集められるだろう。
実際、この前わたしを迎えに来たときにセディーは、調べてどうにかすると言っていた。あと、相手が侯爵家よりも上でもなんとかする、と不穏なことも言っていたし。
うん。あれは聞かなかったことにするけど・・・
だからこその、タイムラグだろう。
まぁ、とりあえずは――――アレだ。
「よかったですねぇ? 先輩方」
にっこりと微笑んで、
「先輩方は、かなりセディーの気を引きたいようでしたから。それはもう、存分にセディーの気は引けたと思いますよ? わたしは先輩方について欠片の興味も無いので、ご実家へ連絡をしたのも、セディーでしょうねぇ。セディーに相手をしてもらいたがっていたんだから、お望み通りになってよかったですねぇ? 先輩方」
そう言い募ると、みるみるうちに色をなくすアホ先輩共。
「きっと、今日のこのことも、親切な誰かがセディーに報告してくれることでしょう」
はくはくとなにか言いたげに口を開閉させるが、言葉が出て来ない。
「今度からはわたしに絡まなくても、セディーの方からまた、相手をしてくれますよ?」
読んでくださり、ありがとうございました。




