・・・実はレザンのこと嫌いだろ、お前ら。
「は? 騎士学校バイオレンス過ぎねっ!?」
「わたしは弱そうに見えるらしくて、入学当初はやたら絡まれた」
弱いもの虐めが好きというクズ共に。
「あー……なんつーか、ドンマイ」
納得したような顔で励まされてしまった。なんだか凄く微妙な気分だ。
「で、絡まれるからって、片っ端から相手して潰してたら、今度は脳筋共に絡まれるようになった」
段々と弱いもの虐めをするようなクズ共はあまり絡まなくなって来て、その代わりというか……レザンみたいに腕試しやら自分を鍛えるのが大好き系のバカな奴らとか、強い奴が偉いと勘違いをしているような馬鹿共に絡まれるようになって行った。
「・・・その脳筋共の中に、レザンもいたり?」
「そうだね。むしろ奴は、その筆頭だったよ?」
「あ~、なんか……レザンのフレンドリーな態度に、妙につれないような冷たいハウウェルとか、温度差っつーの? を感じて不思議に思ってたんだが、その意味がわかったわ」
「わかってくれてありがとう」
「でもさ、ハウウェルはレザンのこと、そんな嫌いじゃねぇだろ? ハウウェルって、マジで嫌いな奴は近寄らせなさそう」
にかっと笑うテッド。
「・・・」
まぁ、確かに。レザンのことは嫌いではない。
奴がわたしに絡んで来るようになって、色々と厄介事が減ったことも事実だ。その代わり、別の面倒事・・・脳筋共に絡まれるようにもなったけどね!
「・・・よし、君にレザンの親友の座とやらを進呈することにしよう。テッド」
「それは遠慮する! つか、なんでそうなるっ!?」
「遠慮することはない。是非とも、奴と暑苦しい友情とやらを築いてくれ。わたしはあんまり絡まれないような、奴の知人その七とかのポジションがいい」
「俺も友人その五とかで十分だから!」
「・・・実はレザンのこと嫌いだろ、お前ら」
ぼそりとした低いツッコミの声がした。
「お? なんだ、いたのかよ? リール」
「いや、今来たところなんだが・・・本人のいないところで愚痴か? そういうのは感心しないぞ?」
眉を顰めて至極真っ当な苦言を呈しながら、テーブルに着くリール。
「まぁ、あれだよね。別に喧嘩が好きなワケじゃない、温厚な性格のわたしに」
「いーや、ハウウェルは明らかに好戦的で、全然温厚じゃねぇだろ」
「失礼な。わたしは、喧嘩を売られるから仕方なく買うだけで、基本的には自分からは売らないよ? 十分温厚じゃないか」
「基本的には、って言ったぞ? 基本的には、って」
「ウルサいな。とりあえず、あれだ。そんな温厚なわたしに、組み手やら剣の打ち合いを挑んで来るワケだよ。レザンは」
「そりゃ、ハウウェルが強いからなんじゃね? 如何にもってか、勝負事好きだろレザンは」
「ちなみに、正式な試合で、わたしは一度もレザンに勝ったことがない。常に奴に負け続けている」
「マジで?」
「マジで。というか、奴は実技の成績が不動の学年一位。わたしは、真ん中から三分の一辺りをうろうろしていた。そんな、明確に実力の劣るわたしに、レザンは絡み捲っていたワケだ。わたしがレザンを苦手に思うのも、無理はないと思わないか?」
「ハウウェルのあの実力で三分の一くらいって……騎士学校半端ねぇな!」
「え? そっち?」
「要は、実力が大きく劣ろうが、一緒にいたいって思われるくらい、ハウウェルはレザンに気に入られてるってことだろ?」
「っ・・・」
「おおっ!? ハウウェルが赤くなった! なーに? 照れてんのー?」
「ウルサいっ」
「あり? リールまでなんで顔赤いん?」
「ぅ、煩い!」
そんな感じで、わちゃわちゃと夕食が終了。
それにしても・・・セディーの誤解は、甘んじて解かない方がいいんだろうか?
その方が、心配は掛けなくて済むんだけど。
暗記、キツいなぁ・・・
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読んでくださり、ありがとうございました。
別に嫌いじゃないけど、暑苦しいのがかなり苦手なだけ。(笑)




