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虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い  作者: 月白ヤトヒコ


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171/429

卒業パーティーが開催です!

 晴れ渡る青空の下。


 三年生の卒業式が開かれました。


 相変わらず眠くなるような長い話と、各種代表の挨拶やらなにやら・・・式典って、割と退屈ですよねぇ?


 涙を堪えている方には少々申し訳ないですが、眠気を我慢しながら、(つつが)なく式が終わるのを待って――――場を改めて、卒業パーティーが開催です!


 卒業式で着ていた制服からお色直しして、華やかなドレス姿やピシッとしたスーツ姿に着替えた生徒達。勿論、制服姿のままの方もいますが。基本的には清楚な装いが推奨されていて、在校生は卒業生の方々よりは控えめな服装をするというのが暗黙の了解らしいです。


「さあ、行きましょうか」

「はい。よろしくお願いします」

「ええ、こちらこそ」


 と、ケイトさんと会場入り。ちなみに、ケイトさんもわたしも制服です。


「チッ……」


 そして、聞こえた舌打ちの方へチラリと視線を向けると・・・相変わらずというか、なにもこんなときまで歴戦の猛者の如くの鋭い目付きで辺りを睥睨(へいげい)しなくてもいいと思うのですが? あと、舌打ちは本当にやめたほうがいいと思います。今日は、卒業生の父兄の方もいたりするんですから。


 あれって、「見せ付けカップル共は爆発しろっ!?」という『過激派密告者』の方なんでしょうねぇ。


 あくまでもわたしは、兄の婚約者をエスコートしている弟なんですけどね?


 それに、卒業生とはこれが最後の交流になるというのに・・・


 ええ、これが最後なんです。仮令(たとえ)、なにかを期待するような熱い視線を送られようとも、関わり合いになりたくはないです。


 だから、熱い視線のことは無視だ無視。期待なんか知らない・・・ってあの方、婚約者がいたんですねっ!? 隣にドレス姿の華やかな雰囲気の女性が並んでいることに少し驚きましたよ。思わず二度見しようとして、目を合わせちゃ駄目だ! と、留まりました。


 どうせなら、その熱の籠った眼差しはこちらではなく、お隣にいる婚約者の女性に向けてあげた方がいいと思います。余計な誤解とかはされたくないです。マジで!


 なんて、若干ヒヤヒヤしながらも表面上は笑顔を保ちます。なんかこう、期待するような人達を見ないようにしながら。


 そうやって会場を歩いていると、ライアンさんの姿を発見しました。あ、一人ではないようです。もしかして・・・兄君でしょうか? ライアンさんと雰囲気の似た男性となにかを話しているようです。


 う~ん、ご家族と過ごしているのを邪魔するのは悪いですよねぇ・・・


 と、思っていたらライアンさんとバッチリ目が合ってしまいました。そして、


「ネイサン様、セルビア嬢」


 にこりと笑顔で呼ばれたら、もう行くしかありませんよね。


「ネイサン様、こちらは僕の兄のウォレン・フィッセルです」


 にこにこと紹介されたので、


「初めまして。わたしはネイサン・ハウウェルです。そしてこちらは、兄の婚約者のケイト・セルビア嬢です」


 自己紹介とケイトさんの紹介とを返す。


「ご丁寧にありがとうございます。わたしはフィッセルの次期子爵、ウォレンです。そうですか、ハウウェル侯爵様のお孫さんでしたか。この度は、弟がセディック様へお世話になります」


 ライアンさんの兄君に頭を下げられましたよ。


「いえいえ、こちらこそ。この一年間はライアンさんにお世話になりっ放しでしたので。ライアンさんが兄に付いて頂けると心強いです」


 そう言うと、ウォレンさんの顔が少し誇らしげになりました。どうやら、兄弟の仲は良好のようです。


 ライアンさんのお兄さんと挨拶をしていると、


「おー、いたいたライアン先輩……と、もしかしてライアン先輩のお兄さんですか?」

「あ、テッド君達」

「初めまして。俺はレザン・クロフト。そしてこっちがテッド・メルンとリール・グレイ。ハウウェル共々ライアン先輩には、大変お世話になりました」


 と、まとめて紹介するレザン。


 それから、わいわいと賑やかに過ごしているうちにパーティーがお開きに。


 今日で一年生はおしまい。そして、少しの休みがあって――――


 次は、二年生に進級です。


✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰



 読んでくださり、ありがとうございました。

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