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虚弱な兄と比べて蔑ろにして来たクセに、親面してももう遅い  作者: 月白ヤトヒコ


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セディーは少し黙っていなさい。

「いや、なに言ってんのセディー? わたしにもう一度一年生をしろと?」

「? ネイトがもう一回一年生をしたいならそれでもいいけど、ネイトなら大丈夫だよ。勉強は僕が教えるし。数ヶ月くらい休学していても、進級テストに合格すれば、復学したときに、ちゃんと今の学年として上がることができるから。お友達とも、離れることはないよ?」


 そんな自信満々に答えられても・・・セディーがわたしのことを心配して言ってくれているのは凄くわかるけど、わたしはセディーみたく頭が良くないんだって。

 わたしのことを買い被り過ぎだ。学校に通わずに進級テストに合格できる気は、全くしない。


「セディーは少し黙っていなさい。お前が口を挟むと、話が進まん」

「お祖父様!」

「いいから少し黙っていなさい。それで、ネイトはどうするんだ?」

「わたしは、このまま学園に通うつもりです」


 アルレ嬢は、レザンのことを気にしていましたし。もしかしたら、レザンがいなければ、もっと強引な勧誘手段を取られていたかもしれません。


 それに、高位の貴族子女達の通う学校施設には軍属の人が紛れ込んでいるのは当然だとレザンは言っていた。ということは、転校したところで大して変わらないだろう。また同じように、軍属の方に勧誘されてしまう可能性がある。


 だったら、このまま同じ学園に通い続けた方がいい。あの学園は生徒達が品行方正過ぎて、ちょっと絡まれたくらいで有名になってしまうけど、その代わりに凄く平和だから、結構気に入っている。殺伐としていないし。


 今更別のところへ行って、一から人間関係を作り直すのも面倒だし。どこに行っても、一定の人達に絡まれるからなぁ。もう、その辺りは諦めることにした。かと言って、ただで絡まれてやるつもりもないけど。絡んで来た奴には、それなりの報復をすることも変わらないし。


「そうか。では、ネイトの好きなようにするといい」

「はい。それで、お願いというか、少し懸念がありまして・・・」

「なんだ? 言ってみなさい」

「軍への入隊許可書へ、わたしの許可無く無断でサインをされると困るんです。父なら、やり兼ねないかと・・・」


 お祖父様の顔が、不快そうに歪む。


「わかった。エドガーのことは気を付けておこう。すまないな」

「ごめんなさいね」


 お祖父様とおばあ様が二人して謝る。


「いえ。お祖父様に気を付けてもらえるなら安心です」


 これで、両親がまたなにかやらかすんじゃないか……という可能性が、少し減りました。


「さ、今日はもう疲れたでしょう? そろそろお休みなさい」

「そうですね、じゃあお休みなさい」


 と、今日はもう休むことにした。


✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧˖°⌖꙳✧


 翌日はゆっくり起きて、遅めの朝食を食べて、違和感に気付いた。


 セディーが、わたしに構って来ないことに。


「おばあ様、セディーは?」


 不思議に思って聞いてみたら、


「セディーは今日は出掛けているわ。ネイトに構えなくて残念がっていたけど」


 との答え。


「そうですか」


 どうやらセディーは、自分の用事を優先させている模様。


 まぁ、それはいいことなんだけどね? ちょっとほっとするような、微妙に寂しいような気持ちだ。


 こういうところが、ブラコンだと揶揄(からか)われる所以(ゆえん)なのかもだけど・・・


 おばあ様とお話をしたりして、まったりのんびりと過ごした。


 セディーは夕方に帰って来て、


「今日は一緒にいられなくてごめんね!」


 と謝られて、夜からボードゲームをした。


 そして、惨敗だった。まぁ、わかり易い手加減をされるよりはまだマシだけどっ・・・


 お祖父様となら、三回に一回くらい。おばあ様となら、四回に一回くらいは勝てるのになぁ。


 次の日もセディ-は出掛けていて、わたしが学園に戻る前に慌てて帰って来ると、見送りをしてくれた。


「今回はあんまり一緒にいられなかったけど、次の休みのときにはいっぱい一緒に遊ぼうね! 勉強も見てあげるからね! 約束だよ?」


 と、言って。


 それから、ガタゴトと馬車に揺られて渋滞を越えて学園寮に戻った。


 心配事が一つなくなったので、ちょっと気分が軽くなった♪


 明日からまた、通常授業だ。


✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰⋆。:゜・*☽:゜・⋆。✰



 読んでくださり、ありがとうございました。

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[一言] 何かしてきたな 笑
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