エピローグ
メイドがいなくなったメイドカフェは、サッキュバスが継ぐそうだ。夜の店になってしまわないように注意が必要だ。
勇者一行の石像は人間の国王に送り届けてやらなくてはならない。魔王城に置いておく価値もない。上半身裸で間の抜けた顔をしている。
重量物だと……送料が高くつきそうだ。
さあ、今日もつまらない仕事が山盛りだ――。
玉座の間へと入り、いつもと同じように魔王様が座る玉座の横に姿勢よく立った。魔王様もだいぶ落ち着きを取り戻されている。無限の魔力で魔王様は私などよりも長命なのだ……。
また女神様と会える日が来るのだ。
「たぶん……」
「なんでしょう」
女神様は今頃、笑っていると言いたいのでしょうか。
「たぶん今頃、こう、エンドロールが下から上へと迫り上がっているのだ」
「?」
「映画の最後みたいに」
あー魔王様、世界観が壊れます。――って言うか、魔王様の世界観は映画だったんですか――。
「……てっきりドット画のRPGかと思っていました」
ドット字のエンドロール。初代ファミ□ンか? ……冷や汗が出る、古すぎて。
「終わりの曲がしみじみと流れておるのだ」
どこからともなく壮大なオーケストラが聞こえてくる……。いやいや、他に言わないといけないことって、ないの~!
「で、最後は「次回予告」とかですか?」
終わらなくなってしまいますぞ。
「魔王の歴史がまた一ページとか……二ページとかじゃ」
冷や汗が出る、古すぎて。
「『映倫』じゃなかったかの……」
「……微妙でございます」
玉座の間には、今日も温かい寒風が吹き抜けた――。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
これにて魔王様シリーズは完結となります。ブクマ、感想、ポイント評価、面白かったらレビューなどよろしくお願いします!
また次の作品でお会いしましょう!