7話 四日目の図書館
四日目の朝となった。
時間通りに図書館に着くと、メグミはすでに来ていて、そのまま勉強を教えることになった。
メグミは渡した本は読んでいるみたいだったが、読み終わっていないようで、特に話題には上がらなかった。
いつか読み終わって、私の思いに気がついてくれたらいいんだが……。おっと違う応援しないといけないんだ。
しばらく勉強した後に休憩時間となった。
私は早速に切り出すことに決めたいた。
「メグミちゃん、シキさんのことだけど、どうしたいと思ってるの?」
「それは仲良くなれたらいいなぁとは思ってますけど……。」
「そう。それなら良い考えがあるの。」
私はメグミの肩に触れ、に向き合う。
「メグミちゃん、シキさんに勉強を教えてもらったらどうかしら。」
メグミは一瞬虚をつかれたような顔をしたが、すぐに目が輝いた。
「それ、すごくいいですね。」
「わかってくれるのね。」
メグミは深く感心しているようで、しきりに頷いている。
私は長年の経験(妄想)と、今回帰省初日のメグミに勉強を教えると誘ったことで、
二日後には恋愛話をするようになった経験(実地)に感謝する。
「あっ、シキさんだ。」
メグミのさす方向を見るとそこにはシキがいた。
「がんばりなさい。応援してるから。」
私はメグミの肩を押す。メグミは途惑っていたが、決心を決めたようだ。
「ミキさん、ありがとうございます。私がんばります。」
メグミはすごく良い笑顔でシキの方に向かっていった。
そして、その笑顔のままシキに何か声をかけているようで、シキの顔にも笑みが浮かぶのが目に入った。
メグミもシキは本当に楽しそうな顔をしている。
私はそれ以上見るのは野暮だし、心苦しさに負けて、帰途についた。
家に帰ってから、悶々とした日を過ごした。
SNSに状況を書き込むと「よくやったね。」「恋のキューピット」などと囃し立てられていた。
ただ、「ここからが大変なんだけどね。」とのコメントは気になった。
これでよかったんだ。これで。
応援を成功させた私には、そう思うことしかできなかった。