immotal lover~インモータル・ラヴァー~後編
ここ数日悩んでいた
先の二人についてです
俺はふと思った
幸せの最中に微かに混じる残酷が
気の迷いであればいいと
そして俺達は年をとった
少なくとも俺は………
「あははははかおり足おそーい!」
「勘弁してくれ昔のようには走れないよ」
「かおりーい」
「はぁはぁはぁ………」
「かおり?」
「あぁ…まってくれ」
俺だけが年をとっていた
彼はなにも変わらなかったその姿も声も愛らしい
何十年たってもあのときの青年のままだった
彼の病は不老不死けっして治る事はない
「ゴホッゴホッ」
「はい、これ飲んで?」
彼は悲しげに笑うあの頃のままの綺麗な顔で
「泣いていいんだよセインツ」
そういわれてやっと堪えていた涙が溢れ出す
「うっくっうぇっ」
「やっと泣いたね?」
「ずっと忘れられない男になりたかった」
「けど忘れてくれ君が辛いのはみていられないからね」
そういって俺はセインツの顔を手で覆い隠す
「うん、忘れるよ」
君は優しいから言わない勝手なことばっかり言うなって
そして純真な赤子のように私の言葉にしたがうだろう
そうだ、それでいい
「さよなら愛しい人」
「さよならかおり」
もっとだらだらと書きたかったが
ここはすっぱり終わる方がなんか
いい気がした
2019/04/11 愛師輝