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パーマストン宰相

ナギがバルコニーから出て回廊を歩いていると、背後から声が掛けられた。


「アイヴァー・ナギ様でございますね?」

 

ナギが振り向くと、五十歳ほどの恰幅の良い男がいた。理知的な顔立ちをしており、上品な服を隙無く着こなしている。


「貴方は?」

 

ナギが問うと男は恭しく頭を下げた。


「お初にお目にかかります。私はパーマストンと申します。ヘルベティア王国の宰相を務めております。以後お見知りおきを」


パーマストンは礼儀正しく述べるとナギは軽い驚きを得た。宰相を務める程の人が自分に何の用だろうか? いや、まずは返礼しないと失礼だろう。


「こちらこそ初めまして。相葉ナギです。俺のようなしがない冒険者に丁重な挨拶痛み入ります」

 

ナギが綺麗な所作で一礼すると、パーマストンは微笑した。


「しがない冒険者などとご謙遜を、ナギ様は既に我がヘルベティア王国を救ってくれた救国の英雄。私ごときが敬意を表するのは当然のことでございます」


パーマストンはそう述べた後、語を継いだ。


「ナギ様。只今、お時間はおありでしょうか?」


「ええ、今は特にすることもありません」


「それは丁度良かった。是非、ナギ様に会って頂きたい方がおりまして……」


「良いですよ。どなたですか?」

 

ナギは快く承諾した。


「我がヘルベティア王国国王イシュトヴァーン陛下でございます」


「え?」

 

ナギの黒瞳に驚いた表情がよぎった。


「どうぞ、こちらへ」

 

パーマストンが丁寧な口調のままナギを先導した。







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