第3話 少女からの依頼
ーー少女を連れ帰った翌日ーー
少女「ん…っ…ぅ…。」
ラン「お…目が覚めたみたいだね…よかったわ…。」
ベットの近くにある椅子に座っていたランは立ち上がり、目覚めた少女に声をかけて。
少女の表情からは何の感情も読み取れなく、少女は無表情でランを見つめながら話しかけて
少女「あなた…は…ここは…どこ…?」
ラン「ん? 私はランだ。
それでここは私の家。
あなたの名前はなんていうのかな?」
少女「ラン……私はリーメイ…。
…なんで私はランの家に…? 確か私は盗賊たちに買われて…。」
ラン「リーメイっていうんだね、いい名前だ。
んー? それは私がギルドの依頼で盗賊団を壊滅させて、リーメイを助けたからだよ。
あっ スープを作ってくるから少し待ってて。」
リーメイ「盗賊団をランが…? あっ…行っちゃった……変わった剣が置いてある…ギルドってことは冒険者…ラン 強いのかな…?」
リーメイに状況を説明したあとランは部屋から出ていき、残されたリーメイは部屋を見回しながら ランが帰ってくるのを待ち。
ラン「ほら、あーん。」
リーメイ「いや…一人で食べれるから…。」
部屋に帰ってきたランはスープを持っていて、リーメイはそれをゆっくりとスプーンで飲ませてもらう。
リーメイは一人で食べれるからと言うが、ランは にこにこしながら差し出し続けるため、リーメイは仕方なく 無表情のまま口を開けて従うのだった。
リーメイはスープを全て飲み干し、ランはお皿を机の上に置く。
ラン「リーメイは家族とかは…?
ちゃんと体調が戻ったらギルドを通じてリーメイを親御さんの元に…。」
リーメイ「…いない…お母さんは大戦時に魔族に殺された…私はあいつを許さない…。」
ラン「あっ……そっか…大戦で…か…。」
リーメイは無表情のまま淡々と語る。
リーメイの母親の死の話を聞き、ランの脳裏にまた棺桶の映像が思い出され。
ランの思考が一瞬 止まっていると、リーメイは無表情のままランに話しかけて。
リーメイ「ねぇ ランって冒険者だよね?
ランに一つお願いがある…私のお母さんを殺した あいつ…魔族を殺してほしい。」
ラン「えっ?」
リーメイ「あいつが死ぬことが私の望み…それだけが私の生きてる理由。」
ラン「…つまり リーメイは復讐のために、私へ依頼を出したってことか…?」
リーメイ「ん、そう…でも私からランには何も返せないんだけど…。」
一切の感情を読み取れないリーメイからの依頼にランは考える様子を見せて。
何の見返りも得られない依頼を前に、少しの沈黙後 ランは口を開き。
ラン「……そうね…ん、わかった その依頼を受けてあげる。」
リーメイ「えっ…いいの…?」
ラン「ええ、二言はない。
でもまずはリーメイの身体を治すのが優先ね、その間に情報を仕入れとくからさ。」
リーメイ「…別に私の身体なんてどうでもいいけど…ん、わかった それでいい。」
こうしてランは、リーメイから復讐の依頼を受けたのだった……。
登場人物 詳細
リーメイ
ショートカットの黒髪
赤の瞳
身長:152cm
年齢:15歳
好きなもの:現時点では不明
嫌いなもの:現時点では不明
彼女の過去など現時点では不明