第12話 リーメイ ランの過去を聞きに行く
サクヤがランのもとを訪ねてきた夜。
リーメイ「ラン今いい? ランに聞きたいことがある。」
ラン「ん? リーメイか、どうしたの?」
リーメイはランの部屋の扉をノックし、ランはリーメイを部屋に招き入れて。
リーメイ「ランは死に場所を探してるの?」
ラン「……あー…リーメイ、やっぱり今日の会話聞いてたんだな…?」
リーメイ「ん。」
ランとサクヤはリーメイが話を聞いていたのに気づいていて、だから話を切ったみたいで。
ラン「…ふふ…まさかリーメイから聞いてくるとは思わなかった。
いいよ、リーメイが聞きにきてくれたんだ 話してあげる。こっちおいで?」
ランはベッドの上に座り、手招きしてリーメイを横に座らせてあげ、話し始めて。
ラン「...私はな、大戦が始まる前は教会騎士団で騎士をしていたんだ。
教会騎士団は、この国の王国騎士団と同じくらい大きな騎士団でね。」
ラン「その教会騎士団で私は《聖剣》って特別な力…神の奇跡を授かって、副団長として部下をまとめる役目を任されてた。
そしてその《聖剣》に選ばれた私をサポートするために、従騎士の男の子がいたの…リーメイと同じく未来のある子…だったんだ…。」
ラン「...でも大戦で…王都を護衛してる任務の時に襲撃があってその子は逝っちゃった…守れなかった私が殺したようなものだよね…。
あの時...私がもっと…しっかりしてれば...あの子は…いまでも…きっと…!」
ランは感情がない声で、何の感情もない表情で淡々と呟いて。
それは、普段の凛々しく 表情豊かなランからは想像もできてなかったもので。
ラン「とと…ごめんね 一気に喋っちゃって。」
リーメイ「…ラン…ごめん…。」
ラン「ん? なんでリーメイが謝るの?」
リーメイ「それは…。」
自分が魔族であることに加え、大戦時に人間側の戦況が劣勢になったのは、少なからず父である魔族のせいでもあるから…と、リーメイは責任を感じていて……。