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メールアプリで下書きを書いてみる

作者: 井桁 退嬰

筆に慣れるためのテスト投稿です。

サイト自体の空気が良くわからないので試しに投稿してみます。


自己紹介のようなものです。


 けっこう快適です。シンプルだし、メールではお馴染みの下書き保存機能をそのまま使うことができます。小説家になろうの執筆メニューにメールから投稿できる機能があったので、物は試し、適当に環境を整えていまこの文章を書いています。

 メールアドレスで投稿できる、という機能はたぶんケータイ小説時代の名残なんでしょうね。ケータイ、という書き方に懐かしさを覚えます。といってもそれほど思い出はないんですが。いまは全部スマホです、文字数が違えば文化も違う。ガラケーについては父親のものしか知りません。プリインストールされていた移植版初代ファイナルファンタジーが面白くて、そればっかりやっていた記憶があります。仕事用のものなのにぼくがそうやって遊ぶせいで、父のガラケーはいつも電池切れで充電コードにつながれていました。いまぼくの手の中に納まっているのはパカパカ音のする二つ折りのそれではなくて、Realforce のテンキーレスキーボードです。

 使っているパソコンのOSはWindows10 Home で、アプリ自体はGMX というドイツの企業が運営しているメールサービス謹製のものです。2017年も暮れかけのいま、ネットのちまたと金融界隈を揺るがしているBitcoin の開発者Satoshi Nakamoto 氏も、BlockChain 技術を公開した論文でここのドメインを使っていました。当時はまだBitcoin もよく知られていなくて、ごく少数のソフトウェア製作者や耳ざといブロガーたちがその存在を大まかに知っているぐらいのものでした。よくある寄付先の口座に指定したり、スレッドでいろいろな議論をしたりしていましたが、まだまだ目立たないものだった印象です。

 それがまさか、ここまで大きくなるとは。執筆時の現在はとっくに金の価格なんて飛び越して、200ドルぐらいになっています。こうなるとゴールド・ラッシュを越えてバブルですよね。いつはじけるとも知れません。昨日はSteam が取り扱いをやめました、変動する価値と手数料が負担だとか。

 こうしてみるとBitcoin 自体の性質はちっとも変っていませんね。登場した時とおなじ、『投機』で『詐欺』で、『信用できない』。今になってぼく自身の認識も、まあ似たようなものです。


 とっくの昔にBitcoin は手放しました。もともとそんなに持っていなかったんですが。一番量が多かった時でも、整数で1~2単位ぐらいのものです。しょぼいですね。ただそれでも時価総額でいえば、いま400万円弱くらいになっているんでしょうか。もっとずっと安かった時を知っているぶん、なんだか不思議です。

 2012年あたりのことはもう記憶が曖昧です。思えば5年が過ぎていました。身の回りをとりまく環境は、かなり変わりましたが、生活のリズムの方はすっかり元に戻ってしまいました。相変わらず引き込もりがちで、人に会いません。昼まで寝て、夜は遅くまで起きています。一日中モニターの前に座っています。ご飯を食べるのは日に一度、晩飯だけです。これでもなんとかなるんだから人体はすごい。体重は落ちていますが健康には問題ないようです。こうした生活を続けているうちに省エネ向きの構造に変化したのでしょうか。


 昨日の晩は久しぶりの外出で買ってきた文庫を読み終えました。イギリスの女性作家が描いたファンタジー小説で、主人公の女の子はけっこう骨太な思考と行動様式をもっています。なんでも、日本のアニメに影響を受けたのが創作の始まりだとか。もうそういう世代が珍しくなくなってきていることを肌で感じます。

 ときどき、こんな生活にもいい加減嫌気がさしては、しばしば一念発起して小説を書こう、となるのですが、いざ書いてみるとこのざまです。ブログにでも書いておけばいい駄文を書き連ねるのがこんなにも楽しいとは思いませんでした。なんとか面白い話、ウケる話を脳からひりだそうとしていたときには、こんな気分は味わえなかったでしょう。すごくリラックスしています。今日のごはんはどうしようかな。鍋でおでんでも温めて食べようかな。お酒が欲しいな。益体もないことばかり、楽なことばかり、頭に浮かびます。


 メールで小説を書く、というスタイルがすごく性に合っているのでしょうね。文章を投稿スペースに張り付けるだけではどうにも味気なくて、つまらなくて何行も書けません。だけどこうして誰かに手紙を届けるような感覚で、『送信』ボタンを押すだけで投稿されるようにすると、筆がすいすいと進みます。


 いつの間にか右側のスクロールバーの高さが半分まで短くなっています。書いた量、ページの分量が多くなるにしたがって、これがどんどん削られていくんですね。目で判って面白いです。


 自作の小説を他人に見せるという経験を、いままで一度もしてきませんでした。そしてひとつの物語を完結させたことはおろか、章立てひとつまともに書いたことがないことに思い当たりました。設定ばかり練るのが楽しくて、肝心の文章をおろそかにしていました。

 特に文芸部とかに所属していたとか、読書感想文で賞をもらったとか、そういうこともありません。寂しいものです。他人と関わることが極端に苦手な性格をしています。

 このあいだ知能検査を受けましたが、ADHDとASDの傾向がある、という診断を受けました。どうにも生きづらい世の中ですね。以来無気力がちで、自信喪失中です。いまに始まったことではありませんが。


 文章の勘を取り戻すためにこれからもいろいろ書くつもりです。「なろう」では異世界転生/転移系の小説が依然として人気なようですね。正直どこのサイトへいっても同じようなタイトルの作品ばかりで溢れていて、どこでも同じようなものだと思ってしまいます。

 書きたいもの、むかしはたくさんありました。トールキンやTESシリーズにハマっていたので、王道ファンタジーを土台にアイディアを固めて、どこか適当なところに投下するつもりでいました。ところが創作意欲が衰えてしまうとだめですね。書きたかったものをすっかり忘れてしまいました。

 小説作法や原稿用紙の使い方は覚えましたがどうにも書くことに手こずります。二次創作にも挑戦しましたが満足いくものが書けたためしがないです。根本的に向いていないのかもしれないと、一度ならず思いましたが、それでもどこか胸のところにつよい憧れが残ります。まぶたを透かして入るぼんやりした光のような、いかにも淡いものですが、それが近くにあるのか遠くにあるのかわかりません。

 中学生や高校生の頃だったら、もっと違っていたのでしょうか。もっと自分の書いたものを人に見せておけばよかった。出し惜しみするほどのものでないのに、なにを隠したがったのか。

 自分の学生生活は果たして何だったのかとときどき考えますが、結論は出ません。

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