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9:無駄に多いスキル

その日から、新しい家族が増えたのはいいが、一番心配なのは学校や衣服、そして金などだったが、ゆりすが言った


「あ、別に心配しなくてもいいよ!服なら生地と糸と針があれば作れるし、必要なら金はそれなりに出せるよ?食事に関しては、血はもらうけど、普通の食事も出来るから人間っぽく振る舞えるよ!学校は悠のところに行くし、人の記憶は操作できるから、悠の親戚の子供ってことで。後、何か聞きたいことある?」


「住民票」


「人間の脳内いじれるんだから、すぐに手配できるよ!親は事故で亡くなったってことで、悠のご両親の世話になっていたってことで。病気として、身長がこれ以上伸びないそんな設定でいいかなぁ?」


「あぁ・・・・・・・・・・・・うん」


結構慣れているからか、テキパキと色々進めていく姿を、オレは見ているだけであった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝起きれば、たまにオレの血を吸っているゆりすを見たりするのにも慣れた。なにより


「おはよー」


「悠!おはよう!」


リビングに行けば、朝御飯を作ってくれたゆりすが、元気よく返事を返すのにも慣れたが、やっぱり返事を返してくれる人がいるのが嬉しかった


病気のオレは、友達と呼べるような人もいないし、家族以外に返事がかえってくることもない。だから、ゆりすがいてくれるこどが嬉しかった


「(ま、初めて朝御飯をゆりすが作っていたのには驚いたが・・・・)」


朝起きても、食事をせずに食べることが多かったから、登校する時間ギリギリまで寝ていたが、ゆりすは次の日から、冷蔵庫にある食材で朝御飯を作り、叩き起こすと言うのが始まった


因みに、初日の叩き起こすは、文字通り『布団叩きで叩いて起こしにかかる』と言う暴挙だった


朝御飯を作るのには、椅子を使って作っており、エプロンはオレの着なくなった服を再利用して作ったりと、マジで母親かと思うほど手慣れていた


だが、よく考えてみると、ゆりすの性別を知らなかった。子供ゆえなのか、男なのか女なのかは本当にわからないほど中性的で、何より本人は「性別を気にするなんて、彼女がほしいの?」と、はぐらかされた。


風呂の入り方がわかっていないと困るだろうと思い、風呂に一緒に入ろうかと提案したが拒否された


「だって、後ろから刺されそうだもん。吸血された怨みぃーーっとか言われて・・・・」


「(無断で吸血してる自覚あるんだ) じゃあ、無断で吸血しなければ」


「そんなの、空腹の人の目の前に、美味しそうな御馳走沢山並べられているのにありつけないとかっていう地獄と同じじゃんか!!」


「そうなんだ・・・・」


「目の前に美味しそうな食事とか、我慢せずに食べるタイプなのに、ひどいよぉーー(泣)」


「悪かったから、泣かないで!」


「じゃあ、いただきます」


「お腹すいてたんかい!!」


と言ったコントもあったりした。同様の理由で着替えも一人でしている。


「(まぁ、ご飯は旨いからいいけど・・・・)」


一応、春の入学式までは、正式に学校には来ないように言ってはいるが、ゆりすはその忠告を無視して、学校に忍び込み、オレの血を吸っては出ていくを繰り返している。


トイレ、更衣室、屋上、使っていない教室、人のいない準備室と、襲われたら基本、分かられないように吸血するので、ゆりすが来て以来は、病気の症状が前みたいに酷くは現れてはいない


ただし、病院に行く日のみは、吸血しようとせずにいるため、病気の症状で苦しんだりはしている。その時はゆりすも、悲しそうな表情を見せるが、あまりにも酷すぎる場合は少し吸血をするなど、オレの暮らしを不審に思われないように頑張っているらしい。


吸血された影響かはわからないが、オレは視力が悪いため眼鏡をしていたが、吸血されてからは視力が回復していった。今では、肉眼でもいいほどだったが、眼鏡をしていないと怪しまれる可能性があるとして、伊達眼鏡をして登校することになったりと、不便なのかそうでないのかわからない状態にいる


「なぁーなぁー。今日の講義は?」


「最初からあるけど・・・・」


「弁当は?」


「作ったのか?」


「キャラ弁と普通の弁当の両方を作ってみた!」


「無駄に器用だよな」


「無駄に色んなこと出来てた方が、世の中を渡り歩くのには最適だって、あっちの世界で言われてたから。仲間同士で、得意なことを教えあったりとかしてたからな」


「ゆりすは後、どんなことが出来るんだ?」


「電子機器の色々と、ステンドグラス的な感じのものをアクセサリーにしたりとかかな?」


「働け」


「悠の血が吸えないからヤダ」


「おい」


「春には悠の学校に入学するから!」


「受験をなめてるのか?」


「残念ながら。知識と勉学には優れてるぞ!無駄に長生きしてるから!」


「無駄に長生きって、あぁー・・・・そう言えばそんなこと言ってたな・・・・・・・・」


自己紹介の際に、ツッコミ所満載のあり得ない話を聞いてしまったからな・・・・。てか、百万も生きてるとかどんだけだよコイツ


「人間感覚で言うと、三、四十代の感覚だとわかるか?」


「あ?」


わかりやすいように例えを出しているみたいだが、はっきり言ってわからない


「年食ってるけど、まだ若い方の部類って感じなんだよ!あっちじゃ、何千万とか、億歳とかいたから」


「あり得ねぇーからな」


「精神年齢を言わないだけマシだよ!」


コイツの精神年齢って・・・・・・・・


「(8歳ぐらいじゃないのか?)」



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