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6:兄弟ってこんな感じ?

むすっと怒っている・・・・・・・・吸血鬼(仮)は、名前を間違えたことが不満のようだ


「おーい」


プイッ


本当に子供のようだった。一人っ子であったこともあり、弟や妹がいればこういった感じなのかなぁと、少し楽観的なことを考えて笑ってしまった


「なに、笑ってんの?怒ってんだぞ?」


こちらを向いてそう言う子供に、オレは謝る


「ごめんって」


「誠意がたりなーーいッ!!」


「いや、マジでごめんって」


「じゃあ、名前を当ててみてよ!」


「・・・・・・・・。えぇーっと、くりたまあんみつ?」


「ちっがーーうッ!!何で名前が白玉あんみつみたいな名前なんだよ!」


「って言われてもなぁ」


覚えずらい名前なのが悪いと思う。


「今度はちゃんと覚えるから!」


「本当か?」


「本当だ」


「ならば仕方ない!こっちの心が井戸水並にひろーーいことに感謝してよね!」


それは・・・・・・・・狭くないか?


だが、どや顔で言うこの子に、また何かを言って機嫌を損ねるのも得策ではない


「じゃあもう一度だけ」


「おう」


「ユリスクリムシェンだ!」


「ゆり・・・・」


「ユーリースークーリームーシェーンッ!!」


「ゆーりーす、くりーむ?」


あ、怒らせてしまった


「もう知ぃーらないッ!!」


「んなこと言っても、名前が長いんだよ!」


「むむ!!問題点をすり替えるな!」


それを言われると、こちらが悪い気もするが


「じゃあ、妥協点として、【ゆりす】でいいよ」


「ゆりす」


「それなら覚えられるだろ?」


なんだろ。イラっとした



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


通り吸血魔もとい、ゆりすというこの子供は親無し、家無し、無一文と自称語っている。それに、自称成人しているらしいが、人ではないからあり得るのかもしれない。後、なぜか中二病的な発言が多い


とりあえず、今後について話そうと思う。


「ゆりす」


「なんだ遠里?」


「本題に・・・・・・・・・・・・え?」


ちょと待て。オレは自分の名前を名乗っていないぞ?それなのに、何でコイツはオレの苗字を当てたんだ?


そうやって考えているのが、向こうにもわかったのか、ゆりすはネタばらしをした


「表札を見てたから!!」


納得いった。しかし、ゆりすはオレの顔をじぃーっと見てくる


「なんだ?」


「遠里」


「だからなんだ?」


「遠里の名前!フルネーム!ファーストネーム!プリーズ!」


「ブッ!!」


いや、噴き出さない方がスゴいのかもしれないが、ファーストネームプリーズって言わないだろ。


聞き方としたら、What's your name?ってするだろ。舌足らずでも似たような発音する人の方が多いのに、どんな間違え方だよ


笑いを堪えながらそう思うが、ダメだ。肩が震える


そして、みるみるゆりすの顔が赤くなったと思ったら、いきなり椅子にあったクッション(昼寝用)を掴んで、オレを攻撃してくる


「遠里のバカタレ!名前を名乗れ!チクショーがッ!!」


「ごめ、ブッ、ハハハハハハハ」


本当に、兄弟とはこんなもんなのなのだろうな。そう思うと、少し心が温かく感じた。





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