18:学校
ごめんなさい
黙っててごめんなさい
悲しませてごめんなさい
ごめんなさい ごめんなさい
我儘でごめんなさい
「 」
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「はい。ユリスクリムシェンの冬眠は終わりました。このまま監視をする意味はないでしょう。また、10年・・・・え、いや、それはないです。大丈夫です
ユリスクリムシェンは仕事をキチンとこなしてますよ」
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この行事は本当に忙しい。何よりも、オレのいる学部では何故か喫茶店をするらしく(オレは病気により病院に行っていたので、その日は休んだ)、一応裏方であるので、余計にいろんなことをしないといけない
「そっち持って」
「釘たりなーい」
「ここのカーテンは変える?」
「次持ってこーい!」
等々、色んな声が聞こえるけど、とりあえずオレはテーブルを並べたりと、比較的簡単なものでないと、途中で落としたりして壊すかもしれない
「はぁ」
「元気ないね。大丈夫?」
「獅童さん」
話しかけてきたのは、同じ学部の獅童めぐさん。
優しい人で、ちょっと天然なのが特徴らしいが、はっきり言ってよくわからない。特にゆりすが来るまでは、いつ死ぬのかを考えていたので余計に周りに気をはれなかった
「大丈夫ですよ」
「そう?疲れたら言ってね」
「はい」
獅童さんの言葉は心配だったから故の言葉なのに、少しウザいと思うのは、やはり病気のことを全員が知っているからだろう。腫れ物のように接してこられたりしているが腹が立つ。
「テーブル、この位置でいいの?」
「う、うん」
「じゃあ置いたら、テーブルクロスか。どこに」
「あ、まだテーブルクロスが決まってないの」
「じゃあ、他に・・・・」
やるべき仕事を見つけては働きをする。そうして、自分にまとわりつくような、クラス全員の視線を無視する
はっきりとわかる。オレがサボっていないか。病気で倒れて仕事を増やさないかなど、本当に嫌な視線を感じる
「遠里さん」
「なんですか?」
「その、身体の方は・・・・」
「平気ですんで、心配しないでください」
あぁ・・・・・・・・
本当に迷惑だ
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ちまちまと進む準備。
時間が進むたび、少しずつ体調が悪くなりはじめているのを感じる
「(くそ、なんでまた)」
そうやって自身に悪態をつきながら、少しずつでも作業をしている時だった
「はい。ここではもうすぐ始まるイベントに向けての作業をしています」
先生の誰かが、学校見学の人を案内している声が聞こえた
だから、たまたま声のする方を見て驚愕した
「(なんでここにいるんだ!!ゆりす!)」
見学者の中にゆりすが混じっていた