14:彼らの話
「えぇーっと、こっちのこと言わないといけないよね?」
「問題点、お前自身の詳しい説明だろ」
「どっちでもいいから頼む」
ユリスクリムシェンには、吸血以外にも冬眠のような睡眠が存在している。
元来の冬眠とは違い、だいたい10年周期で長い睡眠をとるが、それが、いつ、どこで起こるかはわからない。
しかも、本人の判断能力が鈍くなるので、余計にいつ起こるのかがわからない
「ここまでは理解しろ」
理解できたかではなく、理解しろって・・・・
「次に、エシェことエシェットソルノについてだね」
「お前の説明はヘタだから自分でやる
俺は、コイツと同じ時期に生まれた。お前たち風に言えば幼馴染みだな。まぁ、そんなことどうでもいい」
「(どうでもいいのかよ)」
「本題としては、何故このアホを刺したかだろ」
確かに、刺した理由がわからない。殺すためならとっくに殺されている・・・・ってか、小刀が刺さっていたんだ。死んでなくても血が出てなければおかしい
「俺の能力は、特定範囲の時間を好きに操る能力だ」
・・・・・・・・何その最強能力的なモノは
「欠点で言えば、特定範囲を自身であまりコントロール出来にくいこと。だからこの武器で突き刺した対象のモノの時間を好きに操ってるんだ」
「普通、突き刺されたら死なねぇーか?」
「俺らの知り合いに、全世界一の研師という名の鍛冶師がいる」
え?研師なの?鍛冶師なの?どっちなの?
「そいつが俺専用の武具として、この武器を造った」
「小刀を?」
「これ、小刀以外にも色んな形になるんだ!それもエシェの戦闘に応じて、その時に使いやすい武具になるんだ!」
まるで自分のことのように話すゆりす。入らんことを言うなとばかりに睨むエシェ
「時間は、戻す、停める、進める、崩すの4つを主として使える」
「は?」
「簡単に言えば、時間を戻したり、時間停止させたり、時間を進めたり、時間を崩したり」
「最後のが意味わかんねぇーんだよ!!崩すって何だよ!」
コイツらは慣れているから簡単にいうが、時間を戻すとか、時間停止とか、時間を進めるは聞いたことがあるし、その言葉を使ったりするが、崩すってのは聞いたことがねぇ。むしろ、時間が崩れるってなんだよ!
「理解しろ」
「無理だろうが!!」
「簡単に言うと、旅行とかで何処を行こうかとかのプランを計画してるとしよう。それが、地震、交通渋滞で行く時間が遅れたり、思っていたよりも、時間がそんなにかからなかったりしたりする。後半なら、前倒しがきくけど、前半なら、時間の前倒しは聞かない。予定が崩れていった。これが、【時間が崩れる】ってこと、実践すると~」
そう言って、ゆりすは近くの洗濯バサミを持ち、エシェと何かを話。エシェにおもいっきり顔面チョップされる
また、機嫌が悪くなっているが、実践してくれるみたいだ
「いくよぉ~」
洗濯バサミをおもいっきりエシェに向かって投げつける。エシェは次の瞬間、手にしていた小刀で洗濯バサミを切った
そう、切ったはず(・・・・・)なのにもかかわらず、洗濯バサミが消失した
「これが、時間が崩れる瞬間だ」
「すごいでしょ!!時間が崩れると、物体は行き場を失い、どこかにいく。エシェが能力により、今さっきの洗濯バサミは時間が崩れたから、本来の時間より遅れて到達するんだ!」
「訳がわからん」
「つまりは、こういうことだ」
いつの間にか、オレの背後にいたエシェが、オレに向けて小刀を降り下ろした
その際に、見たゆりすは、驚愕と青ざめた顔だった。