日記 初筆
登場人物紹介
橋元 美月 おしとやかでちょっと目だたない
山村 唯 常に元気でうるさい
荒井 莉奈 毒舌で電波じみている
ギラギラと日差しが暑い。
夏も入ったばっかなのに、なんでこんなに暑いのだろうか。そんな日常的なイライラを石ころにぶつけて、蹴りながら歩く。
そして、人気のない道で、1冊の黒いノートを拾った。
このあと、何が起こるかも知らずに……
*
「なんだ!なんなんだ!?この冒頭は!?」
「え~駄目?いいかんじじゃんよ。」
「いいかんじだけども!なんかかっこいいけども!」
「ならいいじゃん。」
「よかないよ!なにもよかないよ!」
「莉奈も唯も落ち着いて、3人で話し合おうよ。」
「美月の言うとおりだぞ!ちゃんと話し合うんだ、莉奈!」
「一番荒れてたのはあんただかんね、唯。」
「どこがだよ!どう考えても莉奈のほうが、
「まぁまぁ、唯ちゃんは怒り過ぎだよ。莉奈ちゃんも、勝手に進めるのは駄目だよ。」
「「はい、すいません」」
「はい。じゃあ、ちゃんと思いだそう。」
*
「あ~ あついぃ~」
「唯、うるさい。まだ5月だから。」
「だって、暑いもんは暑いよ~溶けるよ~」
「溶けてもいいから黙ってて。」
「今なんかさらっと酷いこと言われた気がする」
「気のせいよ、きっと。」
「そっかーならいいや」
「ん?」
そう言って美月が小走りで何かを拾う
「唯ちゃーん、莉奈ちゃーん、黒いノートが落ちてたー!」
「え?まじで?」
「なに?デスノート?」
「さらっと怖いこと言うなよ唯!」
「で、何か書いてあったりするの?美月。」
「いやー、なにも書いてないよ。名前も。」
「んーじゃぁ警察にでも届けるかー」
「そーだね」
*
「で、3ヶ月経って、私たちのものになったってことだ」
「はい、回想おつかれさま。」
「そう。問題はこのノートをどうするかだよ。」
「んーなんでもいいんじゃない?絵描くとか」
「唯は黙ってていいよ。」
「酷いなー莉奈は、私も会話に入れてよー」
「ところで、美月。私たちの日記にするのはどうかな?」
「日記かぁ、いいねー」
「唯は黙ってていいよ。」
「酷い、泣けてくる」
「日記ねー、いいんじゃないかな。」
「じゃあ決定ね。名前はデイズノート。」
「莉奈、それデスノートからとってきただろ」
「そ、そんなことないよ、唯。」
「いいや、絶対とってきたねー」
「ち、違うってば。」
そんなこんなで、今日から私たちの日記、デイズノートが始まります。
ちょっと展開が急になってしまいましたが、
彼女たちの日常を楽しんで読んでいただけると光栄です。