83 新しい武器
元の場所へと移動したレイヴンたちは、そこでゴールドマンより遺裂を受け取っていた。
人数分という言葉から、てっきり5個の装備を予想していたが、どうやらヴァリーラにも与えてくれるらしい。
渡された武器は、今までの役割と変わらないように配慮がなされていた。したがって、レイヴンの場合には剣である。
「元々、これらは攻略組のために、どうにか必死になって作っていた武具の名残だ。ほかの在庫はもう、私の手元には剣2つと盾が1つしかない。ダガーがまだ残っていたのは、幸いだったな」
言いながら、ゴールドマンが合図をすれば、彼の配下が補足するように話していく。
「遺裂は、ただがむしゃらに振ればいいってもんじゃない。力の解放を、明確に意思として示すんだ。必要なら、技に名前をつけろ。一応、攻略組が試験的に使っていたときのでよければ、もうあるけどな」
わざわざ自分で決めたくなるほど、まだ武器に愛着は沸いていない。
それに、攻略組が一度名付けてあるならば、遺裂の効果に合致したネーミングに違いないだろう。
レイヴンたちは首を横に振って、既知の名称を尋ねていた。
それぞれが説明を聞かされる中、レイヴンもそばの男から話のつづきを教えられる。
「お前の遺裂は焔煌刀だ。効果については、もう一回説明しなくてもいいだろう? さっき見せたやつと同じだな。紅蓮の炎が斬撃に付与される」
そうやって別解組は、各々が独自の奇跡を持った武器を手にしていた。
得物の感触を確かめるように、一同が握りなおしたり、その場で実際に振ったりしている。
その姿を見るにつき、やがてゴールドマンが満足げにうなずく。
「中々、似合っているじゃないか。それじゃあ、引き続き頑張ってくれたまえ」
言うやいなや、自分の役目はおえたとばかりにゴールドマンが立ち去っていく。
その背中を、レイヴンは怒りのこもった視線で睨みつけていた。
そんなレイヴンの肩に手を置きながら、リョウスケが気合を入れなおすように声を張りあげる。
「パーティーの方針は、『攻略組の行方を捜す』でいいよな?」
当初の予定以上に強力な装備を借りられたのだ。計画の変更も当然だろう。
「当然、さっさとダンジョンに戻りましょう」
剣を振るいながらネヴェリスカが答えれば、次いで、ヴァリーラも相槌を打つ。
「そうね。でも、これらに本当に特別な効果があるのか、まずは確かめてみないと」
「それは、道中にでも試してみればいいんじゃないですか? すぐに白塔に入っても問題ないように思えますよ。柄にもなく、僕もちょっとわくわくして来ました」
ユウトが朗らかに笑って、雷の遺裂を鞘にしまう。
みんなゴールドマンのことは気に食わないが、もらった武器に関しては、好意的に評価している様子だった。
もちろん、レイヴンもその点は変わらない。
(俺たちはまだやれる……!)
ようやく、攻略組と装備が同じランクになったのだ。
自分たちでも、もっと上を目指せるはずである。
レイヴンたちは闘志に満ち溢れていた。
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