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奇跡を叶えるダンジョンと、レイヴン――遺志を継ぐ者 16,000PV感謝!!!!  作者: 西芭企画
前編 ダンジョンの謎と別解組
54/115

54 今後の方針

 これからのことを考えるうえで、アヤネが持つ奇力器(ききりき)については、その詳細を知っておく必要がある。


 そう判断したリョウスケは、親御を思い出すトリガーにならないよう、慎重に言葉に選びながら、アヤネに対して説明を求めた。


「恥ずかしいんだが、僕たちは、その奇力器(ききりき)についてほとんど何も知らないんだ。一般的なことでも構わないから、軽く話してみてくれないか?」


「いいですよ。奇力器(ききりき)っていうのは、基本的には、武具とはあまり関係のない装備品の形をしているとされます」


 言いながら、アヤネは例示をするように自身の腕をたくし上げる。

 そこに現れたのは紫色のブレスレットだ。

 どう見たって、それが戦闘とは関係のない装飾品であることは、明瞭である。


「解放した際の効果と、連続して使用できる回数の上限は、その奇力器(ききりき)によってまちまちです。例えば、私の剛腕だと、3発までなら壊弩士(マークスマン)になれます」


 以前にアヤネの話していた、ライカンスロープを討伐したという話は、まさしくこれであろうと、レイヴンは独り深くうなずく。


「上限という言葉遣いが、ちょっと引っかかるな。それだと、アヤネは羅刹(パシアー)に対して、あと2射の余力を残していたことにならないかい?」


「いいえ、そうじゃありません。この奇力器(ききりき)の中にあるエネルギーは、すでに空です。解放を再度行うためには、また溜めなおす必要があります。元々、1回分の力しか溜まっていなかったんです」


「どうすれば、溜まる?」

「エネミーを倒していれば、次第に使用可能になります。ごめんなさい、感覚的なことなので説明が難しいんです」


「いや、こちらこそすまない。別に、責めているわけじゃないんだよ」


 リョウスケは慌ててそう言うが、現に羅刹(パシアー)との戦闘で負傷したネヴェリスカは、溜め息を吐かざるをえなかった。


「もっと早くに言ってほしかったわ」


 さすれば、トロルとの戦い方だって大きく変わったはずだと、言外に責めるネヴェリスカに、アヤネは縮こまって謝罪することしかできなかった。


「すみません」


 だが、同じソロプレイヤーとしての活動が長かったレイヴンには、少女の心配が自分のことであるように理解できた。


 ゆえに、ネヴェリスカに向かって口を開く。


奇力器(ききりき)に相性ってのがあるのかないのか、俺にはいまいちわからんが、アヤネが土壇場まで言い出せないのは無理ないだろう。珍しい力を持った装備品なら、殺して奪うプレイヤーがいても不思議じゃない。俺たちがゴールドマンから、奇力器(ききりき)を貸し与えられていないことからしても、アヤネのそれが自前のものであるのは、割とすぐに察せるからな。どうしたって警戒しがちになる」


「……ふ~ん。肩を持つのね」


 そこそこにレイヴンと、前線で協力して来たネヴェリスカとしては、彼が自分ではなく、アヤネの味方をするのが気に入らなかったようだ。


 一方のリョウスケは、レイヴンが想像するような、無法者がいないと信じたそうだったが、理由自体には一応の理解を示すのか、まだ口を挟もうとしていなかった。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

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