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49 11層の羅刹

 パーティーの人数を6人に増やした別解組は、11層の罠場へと向かっていた。

 恐るおそるといった足取りで進んでいくリョウスケたちは、やがて巨大なトロルをその視界に捉えていた。


 間違いない。

 羅刹(パシアー)だ。

 通常のトロルであれば、肌の色は茶色。

 そうだというのに、この個体は紫だ。紛うことなく、羅刹(パシアー)だろう。


「気をつけろ」


 リョウスケの言葉に反応するように、レイヴンとネヴェリスカがみんなより前に出る。

 幸いにして、羅刹(パシアー)との戦いでは後方を気にする必要がない。敵は群れではないからだ。

 目配せをするネヴェリスカ。

 それに答えるようにレイヴンがうなずけば、もうネヴェリスカはトロルに向かって飛び出していた。

 神速。

 相変わらずの人間離れした動き。

 トロルが鈍重であることを抜きにしても、ネヴェリスカに対応できるエネミーは少ない。

 敵の足を3回ほど切りつけて後退。

 トロルが彼女を捕まえようと、手を伸ばして来たところを逆に利用して、羅刹(パシアー)の腕を駆け登ると、ネヴェリスカはその顔面に連続攻撃を食らわせていた。


 怯む。

 部位が部位だけに、顔への刺突は効果がてきめんだったようだ。

 一瞬、トロルが見せた隙を逃さず、レイヴンは羅刹(パシアー)の足元を目掛け、渾身の力で剣を振るった。


(かてえ!)


 信じがたい頑強さに、振りかぶったはずの両腕が、かえって弾かれそうになる。

 さすがに、剣が相手の脛に食いこんでいるので、ダメージが入っていることは間違いないが、それもトロルの特性を考えれば、どこまで有効なのかはわからない。トロルには、再生とでも呼ぶべき、尋常ならざる自然治癒能力が備わっているからだ。


 ゆえに、持久戦にはめっぽう強い。

 さすがに、筋肉の疲労までは避けられないので、体力お化けなどということはないが、簡単な傷であれば戦闘中に治ってしまう。同じ特性を羅刹(パシアー)も有しているとすれば、それだけで脅威だろう。おまけに、オークのときのように、本来は持っていないはずの個性まで、獲得していると予想されるのだから、その度合いは一層高くなる。


 仕方のないことではあるが、ここでも苦戦は必至だろう。

 レイヴンが攻撃したのを見て、すかさずネヴェリスカも追撃を行う。連携の速さは、ここでも健在だった。


 さらに、今回からはアヤネの加入によって、遠距離からの射出も可能となった。ネヴェリスカが頭部から離れると、即座に、アヤネが牽制を目的とした発射を行っていく。


 ターゲットの変更。

 トロルが場所を離れようと体を前に出すが、そうはさせないと、レイヴンが足の甲を何度も切りつけた。


 再び、攻撃の目標がプレイヤーによって変えさせられる。当然ながら、ネヴェリスカも追い打ちをしているため、目まぐるしく移るヘイト管理に、羅刹(パシアー)は完全に対応できていない。


(……行けるっ!)


 このまま一方的な展開になるのではないかと、淡い期待を抱きかけたとき、やはりと言うべきか、トロルは今までにない行動を見せていた。


 武器を高く持ちあげたのだ。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

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