表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/127

39 ケンタウロス

 聞けば、すでに北側の調査は完了しているらしい。残すところは、フロアの南側だけだという。

 最初に出会ったときから、もうそんなに進んだのかと、レイヴンが作業の速さに驚けば、彼の解釈は少し間違っているようで、リョウスケは簡単に訂正していた。


「ちょっと違うかな。北側の道には、12層へとつづく階段があるんだけれど、そこを除くと、すべてのルートが一つのところに集まっているんだよ。ただ、その終着点っていうのが、どうにも罠場っぽくてね。奥を調べるために中を覗いてみたいんだが、さすがに後回しにしたいかなって。……まあ、結果的に持ち越したのは大正解だったかな。レイヴンが加わってくれたおかげで、希望が見えたよ」


 期待してくれるのはうれしいが、10層の羅刹(パシアー)を倒せたのは、ほとんど偶然のようなものだ。

 今度からは、最初からネヴェリスカと連携して戦えるとはいえ、あまりに大きな公算を持たれても困る。11層の羅刹(パシアー)を倒せる保証はない。


「手を抜くつもりはないが、買いかぶるなよ」

「するわけないでしょ。ここにいる連中は、どうせあたしがいなきゃなんにもできないんだから」


(たしかに……)


 別解組の肝が、ネヴェリスカにあることは疑いない。

 攻撃も防御も、すべては彼女をどれだけ活かすことができるのか、という部分にかかっている。

 だが、ネヴェリスカの反則的な動きと比べてしまえば、大概のプレイヤーは、平凡という評価にならざるをえないのではないかと、レイヴンは少しだけ眉をひそめる。正当な比較対象ではないと、レイヴンは言いたかったのだ。


 やがて、5人の前にはケンタウロスが現れていた。遠目には、奥にもう1体同じエネミーがいるように見える。


「念のため、迂回しますか?」


 ユウトの提案に答えたのは、レイヴンだった。


「ついさっき、似たような距離で遭遇したが、ケンタウロスのほうは何もして来なかったぞ?」

「本当ですか?」


 ユウトは訝しむようにレイヴンに尋ね返すが、リョウスケは別のことを考えたらしい。


「それは興味深いね。今なら、ちょっとくらい無茶ができるから、せっかくなら試しておきたいかな」


 リーダーがそう言うならばと、ほかのメンバーは言葉を発さない。

 恐るおそる、ケンタウロスの横を別解組が通り抜けていくが、結果はレイヴンから言われていたとおりだった。


 背後にまで遠ざかったエネミーを、注意深く見つめながら、ネヴェリスカがつぶやく。


「あいつらと戦ったプレイヤーは、みんな自分から切りかかったってこと? 馬鹿じゃないの」


 レイヴンも似た感想を抱くが、リョウスケは異なる意見を出す。


「まあ、僕たちもレイヴンから聞かされなきゃ、刃を交えていたと思うし、そんなに貶めてあげるなよ」


 そうして全員の体から、多かれ少なかれ緊張感が抜けたとき、横から一匹のハーピーが、別解組へと向かって飛びこんで来たのだ。


 それと同時に、いまだケンタウロスを目視していたネヴェリスカと、奥のエネミーを凝視していたレイヴンとが、全く一緒の単語を叫んでいた。


「「構えろ!」」


 2体のケンタウロスが、いつの間にか弓を番えていたのである。


(どういうことだ……)


 全員が同じ疑問を抱く中、エネミーの群れとの交戦がはじまっていた。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ