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奇跡を叶えるダンジョンと、レイヴン――遺志を継ぐ者 16,000PV感謝!!!!  作者: 西芭企画
後編 白塔の攻略と、奇跡の正体
114/115

114 130体のライカンスロープ。

 ユウトを無事に取り返せたとはいえ、安心してはいられない。

 ヴァリーラの推理はあたっていたからだ。

 瞬く間に、周囲にはおびただしい数のライカンスロープが、これでもかと出現していた。その量は、10や20では収まらないだろう。一面がエネミーで溢れかえっている。


「ヴァリーラ、指示を!」


 戦いながらの思案は、みな決して得意ではない。

 自分らでの判断は中止し、すべての指揮を彼女に一任する。

 知的な負担をかけることにはなるが、この状況もヴァリーラが想像していた範囲内だろうと、リョウスケは即断したのだった。


 端的な返事。

 次いで、ヴァリーラが彼女なりに声を張りあげて告げる。


「一旦、繭包風(カプセル・ウィンド)は取りやめ、リョウスケさんは姉とともに、ハーメルンの相手に徹してください! レイヴンは単独で遊撃。残りのメンバーは、私を中心に円陣を組んで、ライカンスロープを各個撃破していきます!」


 雑魚を相手にするうえで、肝になるのは間違いなくユウトの遺裂(レリック・ブラスト)だろう。

 雷場薙(イアー・モーアー)が得意としているのは敵の足止め、あるいは、相手の動きを阻害することだが、スタンの効果はそれだけに留まらない。真骨頂は、他者への感電だ。


 エレクトリックフィールド。

 麻痺を付与されたエネミーが密集している場合、そこには持続的な雷撃が発生するようになる。

 当然、範囲内にいるライカンスロープは、自身がスタンしているかどうかに関係なく、継続的なダメージを追うことになるのだ。


 これまでは、あまり活かされる場面を与えられなかった効果だが、今の状況にはおあつらえ向きのものと言えた。


 ただし、この雷撃にエネミーをスタンさせる機能はない。その点だけには注意が必要だろう。

 加えて、遺裂(レリック・ブラスト)そのものに、まだ耐性をつけていないヴァリーラには、翠葉杖(エメラルド・セプター)を使うような力がもう残ってはいない。発動できて、あと数度。とてもではないが、このライカンスロープの集団を、しのぎきるほどの量ではなかった。


 ユウトとレイヴンとの遺裂(レリック・ブラスト)だけが頼りだ。

 スタンしたそばから、ヴァリーラがライカンスロープの眼球に狙いを定めて、杖の先でエネミーの視力を奪っていく。


 それは命を絶つほどの攻撃ではないため、とどめはアヤネにお願いすることになるが、分業としては十分な働きだろう。


 エネミーの体に隠れてしまって、すっかりと姿が消えたレイヴンのことが、少しだけ気がかりだったが、それも天井まで届く勢いで放出される、焔煌刀(クリムゾン・フレイム)の炎を見るに、無用な心配だったらしい。


 もともと、14層以下のエネミーは敵じゃないのだ。どれだけライカンスロープが増えたところで、遺裂(レリック・ブラスト)の相手にはならないということなのだろう。


 段々と数を減らしていくエネミーの群れ。

 ヴァリーラも安堵するように、ほっと息を吐いたが、戦況は決して好転したわけではない。

 贔屓目に判断しても、月光を消しただけ。

 つまりは、ふりだしに戻っただけだ。

 言わずもがな、実際には、アヤネの奇力器(ききりき)を消費して獲得したリスタートなのだ。当初よりも悪化したという評価のほうが、事実を正確に反映していた。

 コメントまでは望みませんので、お手数ですが、評価をいただけますと幸いです。この後書きは各話で共通しておりますので、以降はお読みにならなくても大丈夫です(臨時の連絡は前書きで行います)。

 次回作へのモチベーションアップにもつながりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。(*・ω・)*_ _)ペコリ

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