転生した先が『ユイコ・ヒロシ・タクミ』でした
「…おや。こんなところで…」
麗らかな午後。
小鳥がさえずり、色とりどりの小さな花が咲き誇る庭。木漏れ陽に若葉も光る。
ユイコーニアはここで大樹を背もたれに読書に耽るのが大好きなのだが。
「ふふ。よく眠ってる。」
ヒロッシーニはそっとユイコーニアに近付く。膝から読みかけの本が落ちている。更に近付きその丸いおでこにそっと唇を落とす。
ユイコーニアが目を覚ます。
夢の続きを見ているのか、少しぼんやりしつつもヒロッシーニに微笑む。
そんな長閑な時間をタックミーノの怒声が打ち破る。
「ヒロッシーニ!私の婚約者に今、何をしたか分かっているな!」
勢い、手袋の片方を地面に叩きつける。
決闘の申し込みだ。
拾うしか…ない。
ヒロッシーニは苦悶の表情を浮かべそれを拾う。
「明朝、海辺の崖の上だ!」
・・・
「……ヒロシ?…ヒロシ?起きて?」
「あぁ…ユイコーニア。もう朝か…。」
「何言ってんの(笑)。懐かしい名前呼んで。あの頃の夢でも見てた?
教室で居眠りしてたんだよ。タクミも待ってるから帰ろ。」
「…?あ。夢か…。」
懐かしい夢を見ていた。
あの後、俺達の決闘を回避する為、ユイコーニアは崖から海へ身を投げた。俺達も直ぐ後を追った。
今、俺もタクミもユイコに頭が上がらないのは当然だ。今度はきっちりユイコを守り抜いて見せる。
「ヒロシ?早く行こうよ。」
あぁ…それにしても。
「ユイコ。今日もかわいいな。」
「へっ!?な、何急に変な事言い出すのよ!」
平和な時代で有り難い。
それなりに色々あるけどな。
あぁー。すみませんすみませんm(_ _;)m
まさかこれが採用されるなんて夢にも思わず。
『ヒロッシーニ』というイタリアンのお店を偶然発見し、そこから次々と名前を思い付いてしまったもので、気楽にぽい、っと送り付けてしまったのでした。
特段な捻りもなく、あるとすれば、転生先が現在でお話は続きますよ、という形にした位で…。あぁ…。他の方の作品はそれぞれ特徴があり、素晴らしかったので尚更恥ずかしい…。
でもヒロシファンの私。目標達成しました。ここまでお読み下さりありがとうございます。下野さんの声は最高でした!
是非YouTubeにて9月16日のアーカイブをお聴き下さい。