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アン・ギフテッド

作者: 餅角ケイ




______________________


親愛なるぼくのマドンナ、A婦女子へ


市内のどこかの高3生、某アン・ギフテッドより。





 いや本当、人間って分類するの好きですよね。最近じゃあよくギフテッド、ギフテッドって。そもそもこの世に生を受けること、それ自体が神からの贈り物っていうわけにはいかないのですか。ぼく以外の誰しも、そういうような解釈には至らないんでしょうか? 誰かその神とやらに直接聞いてきて教えてほしい。 


 ああ、すみません一番大切なことを書き忘れてしまいました。これはぼくから貴方へのラヴレター(←あえてネイティブっぽく書いてみたw おもろい?)なのです。


 聡明且つ空気が読めて、きめ細やかな謙遜が大得意であるあなたがギフテッドなら、傲慢でウザくて(あんまり自覚はないんだけどよく言われる(泣))、空気が壊滅的に読めず恥知らずで何をやっても全くうまくいかないぼくは、さしずめ『アン・ギフテッド』とでもいったところでしょうか。

 社会的に望まれなかった神からの贈り物。

 不必要な生命。

 言い方は無限大です。


 そんな生きている価値のないぼくが貴方に恋をしてしまったという不祥事を、どうか、どうかお許しください。

 それでも、愛していたのです。受験勉強も手につかなかったほどに。


 そして、聡明な貴方だからこそ、どうか心に留めておいてほしい。ギフテッドとアン・ギフテッド。人を分類するということは、救済にもなるが、同時に苦しめるかせにもなるということを。


 ぼくの愛した貴方が将来、ギフテッドという枷に締められて自死を選ばない様に、と強く望みます。

 まだまだ先の長い人生、どうかお気をつけて。ぼくは、もういいので…………。ああ、間違ってもぼくを慈しみ捜すようなことはなさらないでくださいね。もうそろそろ空の上にいるはずですから。いや、地獄かw


 でわでは。愛しています、ぼくのマドンナ。最後まで読んでくれてありがとう。長文乱文失礼しました。


                        以上

_____________________





「可哀想。誰もあなたのこと、アン・ギフテッドだなんて言っていないのにね」


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