転生後
まだ科学チート、知識チートしません。もうしばらくお待ちください。
強い光の中で目が覚めた。次第に光は消えていくが目が慣れない。
少しずつ目を開けていくと西洋の神殿のような建物の中であることがわかった。周りを見て窓はない、兵士であろう人が数人立っている。そして目の前に金髪を背中まで伸ばした西洋顔の女性が一人、その後ろに赤毛の男性が一人が目の前で跪いていた。
「「ご降臨頂き感謝致します、転生者様」」
知らないはずの言語で話しかけてきたが、不思議なことに、その言語を発音も文法も単語も理解できた。
「――えっと、はい」
話すことも容易いことに内心驚く。違和感もなく使えるが、知らない言語をいつの間にか知っているとい状況は気持ちが悪い。
「私はサティエル・シンハライトと申します。今日からあなたの護衛を務めさせていただきます」
「私はサルトロ・スギタニと申します。同じく護衛を務めさせていただきます。」
後ろの男性も話してきた。
しかし【スギタニ】? 妙に日本人っぽい苗字だ。
定期的に人を送っているみたいな事を言っていたな……
その子孫とかだろうか? それにサティエルさんは金髪、サルトロさんは明るめの茶髪だ。経度が高かったりして日光が弱いのだろうか?
そんな事を考えているとサティエルが話しかけてきた。
「お名前を教えてもらってもよろしいでしょうか?」
「……隆治―― 関隆治です」
「セキが姓、タカハルが名前でよろしいですね?」
「はい」
「タカハル様、これからなさってもらうことがいくつかございます。ご要望などがございましたら遠慮なくご申しつけください」
「わかりました」
「私達はタカハル様よりも下の立場です。堅苦しくならなくても構いませんよ」
彼女は微笑みながら言った。
「えっと……わかった。それじゃあ何からやればいいんだ?」
「まず他の護衛と面識してもらって、その後国王陛下と謁見してもらいます」
「わかった」
「では、ご同行お願いします」
そう言うと軽くもう一度頭を下げてからと立ち上がった。
部屋を出ると窓から外が見えた。漫画アニメでよくあるような中世ヨーロッパ風の街並み、すぐ近くに巨大な城があった。
それに透明度に高いガラスを使えるようだ。それも結構な数、石英が豊富に取れるのか、あるいはファンタジー的な全く異なる物質からできているのか……
考察は置いといて、目の前に二人の男女。
「レギア国第五王女、ルビー・レギアと申します。今日から護衛を務めさせていただきます」
「レギア国騎士団内一人、アゲート・フレインと申します! 同じく護衛を務めさせていただきます!」
二人はまるで忠誠を誓うかのように跪いていた。
「ど、どうも。関隆治です。関が名字で隆治が名前です」
色々初めてな状況に緊張と動揺が拭えない。
ルビーは銀髪、アゲートはサルトロよりもさらに明るい茶髪である。やっぱり日光が弱いのか日照時間が短いか。
いや、ルビーは赤目であったからアルビノか?
しかしそれよりも気になることがあった
「王女? 王女様まで護衛になるのか?」
サティエル、サルトロの方を向いて言った。
「戦闘面では問題無いと自負しております」
ルビーが答えた。
「えっと、じゃあ戦闘面じゃなくて王家(?)的には問題無いのか?」
「何も問題はございません。転生者のお近くに居られるということはおそらく全ての者にとって名誉なことなのです」
転生者の護衛は羨ましがられるくらいの仕事なのか。
「えっと、ルビーにも態度はこんなかんじでいいの?」
サティエルに小めな声で聞く。
「問題ありません、王女であっても転生者様の方が身分はずっと上です」
「わかった。 色々と聞きたいことはいくつかあるがそれは移動しながらにする」
サティエルについて行くと外に出たらこの建物は大きな神殿でることに気づいた。
前に馬車があり一人の御者と見られる人が立っていた。するとサティエルが手で合図を出した。
「では、これで」
御者は去っていった。そしてサティエルが扉を開く。
「どうぞお先にお乗りください」
「ああ」
俺が乗り込んだ後サティエル、ルビー、サルトロが乗り、アゲートが御者席に乗った。
馬車が走り始めて、俺は聞いた。
「さっきの人は御者じゃ無いのか? 五人が十分に入れる広さだと思うんだが」
「はい、彼は御者ですがタカハル様と接触する人は極力少なくするべきなんです」
「なので自分がタカハル様の護衛兼専属御者にというわけです!」
サティエルが答え、アゲートが付け足した。
「あー、転生者は暗殺とか狙われやすいのか」
「はい、転生者は敵国にとって大きな脅威なのです」
「あと、ルビーが戦闘面では問題無いと言っていたが王女様が戦闘で強いというのは失礼かもしれないけど違和感があるんだが」
「ええ、違和感を持つのは普通です」
サティエルはそう言いながら少し苦笑いをしていた。
「私の母方の家系は剣豪が多く、伯父上は前レックス国の転生者を倒したうちの一人です」
「レックス国っていうのは敵国か?」
「はい、我が国レギア国とレックス国が最も大きな国の二つで二国の南に複数の国があります」
サティエルが説明してくれた。
「私は幼い頃から親族からの厳しい剣の修行をしてきたので一般的な兵よりも強いです」
ルビーが話を戻してきた。
「なるほど。そういえば女神――様が一定期間ごとに転生者送るって言ってたんだが、実際どれくらいの期間なんだ?」
「戦争に参加できなくなってからちょうど三十年です。ほとんどは死んでしまってからですが」
「それで、前回のレックス国の転生者は何年前に死んだんだ?」
「えっと……」
「ちょうど十年前ですね」
「詳しいのか、サルトロ?」
「はい、代々我が家では転生者の記録をしています。それでも戦争中期からなので古くの記録はございませんが」
「戦争はどれくらい前に始まったんだ?」
「およそ六百年です」
「六百年!?」
とんでもない期間を戦争している。六百年前とか俺の世界だったら戦国時代のちょっと前くらいか……
「すごい情報だが、それよりもレックス国に次の転生者が出るまで二十年の猶予があるということのが俺にとって重要だな」
「はい、しかし転生者以外にも脅威となるものはいくらでもございますのでお気を付けください」
「ああ、色々と気をつけておくが戦争なんかとは無縁な環境で育ってきたから気づかないは多々あると思うが」
「その時は我々護衛にお任せください」
サティエルの言う通りそうするしかないな。
「ああ、頼んだ。ところであとどれくらいで着くんだ?」
「後もう一、二分で着きますよ」
アゲートが返してくれた。
神殿から城までそんなに遠くないのか。
…………待てよ、今【分】と言ったか?
少し頭の中にある言語を探る。すると時間の単位が秒、分、時間だ。
「なぁ……この世界は一日何時間だ?」
「二十四時間ですが、」
「……秒、分は六十進法か?」
「そうですが……」
「一緒なのか……」
俺の世界と一緒である。強い違和感があった。
地球の自転速度は少しずつ遅くなっていたし、恐竜が絶滅しなかったら哺乳類はここまで繁栄していないはずだ。
偶然隕石が降ってきて絶滅したと言われている。
もっとも、二億年もあれば一回くらい巨大隕石が落ちてきてもおかしくないかもしれないが。 【年】……
さらに一つ気になることが増えた。
「一年は何日だ?」
「三百六十五日で四年に1度三百六十六日です」
「――公転周期まで、偶然にしてはいくらなんでも」
「あの……」
サティエルが不思議そうに聞いてきた。
「ああ、一日の時間、一年の日数が俺のとこの世界と完全に同じなのは違和感があるっていうことだ」
「……今までそのようなことを疑問にしたという記録は見たことがありませんね」
「まさか一字一句記録してるのか?」
「いえ、そういうわけではありませんが興味深い疑問でしたので、記録されてもおかしくないことなので」
「それは逆に記録がある別世界は一年、一日の時間が異なった事がないというわけか?」
「おそらくは」
それはもう偶然では説明できない。そもそも生命が誕生可能な星が生まれることが天文学的な確率だ。何かが作用していることは間違いない。あくまでも記録から推察した結果だが。
頭の中にあるこの世界の言語を捜していくとさらに一つ気づいた。
「メートル法……?」
「? はい、メートル法はこの付近で主流です」
サティエルが答えた。
「何が基準なんだ?」
俺の世界はヨーロッパの方のどっかの距離が基準だった気がする。
「女神タルト様が与えられたとされています。先程の神殿に与えられたとされる物差しがございます。最も邪教では別の神が与えたと言っていますが」
「……」
自分の宗教じゃなければ邪教、か……
「失礼、もう着きますよ。」
御者席の方からアゲートの声が聞こえた。
馬車から降りると城の庭だった。目の前まで来ると城の大きさの感じ方が違う。
「タカハル様に服装は問題ないのでこのまま謁見できますが、ご要望があれば新しい服を差し上げますが」
そういえば服は学校の制服だった。だがポケットに入れていた財布などは入っていない。どういうことだ?
「いや、このままで大丈夫だ」
サティエルに着いて行きある部屋の前まで着いた。ちょっと疲れた……階段が結構急で距離も少しあった、運動全くしてない人にとってはきつい。
部屋に入ると机があり、数人その周りに座っていた。おそらくは奥に座っている中年男性が国王だろう。比較的派手な服装であり銀髪赤目であってルビーの特徴を持っている。
「よく来てくれた。私がレギア国現王、アルマディン・レギアだ。そなたの名前を教えてくれ」
「関隆治です。マナーなど教わっていないので失礼があるかもしれませんが、その時は大目に見ていただけると幸いです」
軽く頭を下げてから言った。
「あまり気にしないで良い、そこに腰掛けてくれ」
王様は優しく言った。言われたとおりに腰掛けて、王様は話を続けた。
「色々と不安があるであろう、気になったことはなんでも言ってくれ。では、プレナイト」
「はっ、レギア国レックス国戦対策所所長 プレナイト・アシエスと申します。以後お見知りおきを。早速ですが現在の戦の状況を知ってもらおうとおもいます」
「わかりました。実は戦争のことは経験したことはないので素人にもわかるような説明でおねがいします」
「はい、かしこまりました。では、こちらをご覧ください」
そう言って彼は地図を広げた。
「現在、国境線で北からクローリン領、カルクス領、セレン領、ジルコ領の四つで争い小競り合い程度の争いが起きています。しかしタカハル様が来てくださった今、この争いが激化する可能性が大きいです」
プレナイトが地図に指をさしながら言った。地図を見ると六割がレギア国、レックス国が同じ大きさ、一割が南にその他の国のようで後は空白であった。おそらく海だろう。
「それは向こうから仕掛けてくるという認識でよろしいでしょうか?」
「はい、遅かれ早かれ今までのレックス国の行動を見る限り間違いないでしょう」
「それは私が行かなくても防衛は可能ですか?」
「はい、攻めるのは難しいですが防衛は可能のはずです」
「わかりました」
「私からは以上です」
「何か聞くことはあるかね?」
王様が聞いてきた。
「この国の兵は徴兵制ですか?」
その問いにプレナイトが「はい」答えた。
「兵の数は人口ギリギリと言うわけではないでしょう?」
この国の土地から推測した。
「はい、そうですが農業従事者を考慮した結果兵一人ひとりの質をあげる方針でございます」
「今後私は戦争に参加する予定はありますか?」
「いや、そなたの得意分野はわかっておらぬから予定を立ても意味がないのだ。何かしたいことがあるのかね?」
「ええ、六百年続いたこの戦争、敵国に歴史上最大の打撃を与えましょう」
「ふむ、大きくでたな。それで何をするつもりなのだ?」
「最初にするつもりのこと。それは――――
はじめに科学者少年がすることは......