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科学少年の異世界戦争  作者: 歯並び悪い人
戦争準備編
12/84

今度こそウハウハ

数字やアルファベットのところは読み流してもらっても構いません。物語に大きく影響はしません。

「危険、一回であれだけ、一回やったら動けない、俺しかできない。よって不採用」


「まあ、現実的ではございませんね」


「なんとかやり方を考えれば我々にも可能かもしれませんが」


「何年かかるんだよ」


 研究室でサティエル、サルトロとそんな会話をする。


「でも、もしかしたら練習したらいけるかもしれませんよ?」


「出来るようになるまであれ繰り返すのはなー」


「タカハル様の安全第一、連続した魔力切れは危険。アゲートはもっと考えろ」


「うぐっ……姫様の言う通りです。でも考えるのは苦手で」


 ルビーは人の事言えるのか……


「うーん、でもどうしても工場が欲しい。そのためには大量のお金が必要……別の稼ぐ方法探さないとなー」


 石油でも探すか? こんだけ広けりゃワンチャンあるだろう。とはいえ不確実、じゃあどうする? 魔道具の作り方教わってロボットでも作る?

 きっかけでもないかと道具しかない研究室を見て回る。


「本当に思い浮かばないなー、とは言え何か探さないと」


「ゴムなんてどうでしょう? 私達の世界には無「それだー!!」


 サティエルの発言に被せて大声を出してしまった。

 だけどそんな事気にするよりもその案に感心した。


「確かにそうだよな、俺のとこだと安価だったから、もちろん例外はあったが。いやー、製造した時点で気付けよ俺、ほんと科学以外ダメだなー。

 無いもの出したら売れるはずだ。早速量産体制に入ってもらおう、タイヤ以外のゴム製品も考えねば。

 工業的なのは無理だから民間にも使えるので――」


 ぐるぐると歩き喋りながら考える。


「また始まっちゃいましたね」


「タカハル様には必要なことなのでしょう。現に多くの画期的な魔法を開発されておられます」


 アゲート、サルトロが話している。


「そういえば、今開発されてるタイヤって空気入りじゃなかったな」


「どういう事でしょう?」


 サティエルが聞いた。


「タイヤをな、こう中を空洞にしてそこに空気の圧力を高めて衝撃を和らげられるんだ」


「空気の圧力を高める……ですか……」


 アゲートが心配そうに言った。


「安心しろ、タイヤは2000hPaくらいだから普通の気圧の二倍だ、破裂してもちょっと音がなるだけだ。あれは五千倍だったからな……」


「大丈夫なんでしょうか……」


 やべえ、あのアゲートが疑い出した。そんな事故やばかったか……

 あの時見たクレーターを思い出す……やばそうだな。


「あれはちょっと嘘ついちゃったからな……すまん。でも今度は本当に大丈夫だ。とはいえすぐには伝えられないし……他の使い道も考えなきゃ。って、そうだよ、手袋欲しいんだよ」


「手袋……ですか?」


サルトロが聞いた。


「おう、薬品に耐性を持った手袋だな。これから危ない薬品を扱うはずだ、もちろん注意はするつもりだけど……説得力無いもんな」


 ……微妙な空気になってしまった。転生者だから気を使われてしまっている。


「でも、工場にはまだ足りない」


 うーん、金を稼げそうなもの……俺は科学で考え過ぎていたな、歴史的に見てみるか。

 車に兵器、麻薬……思考がダメな方向だよ!

 あとは、異世界系漫画やアニメで稼ぐと言ったらボードゲームや砂糖……砂糖ねえ、農業をするために農業をするのは本末転倒だ。ブドウ糖のC6H12O6もといグルコース……いけるか? 葉緑体を魔法で再現してCO2とH2Oと光は用意できる。ADP、NADP +も作る必要もある。

 魔力製葉緑体、試してみる価値はある。事故も起きなさそうだし。無理そうだったらセルロースからの合成か、道のりはめちゃくちゃ長いが。


 クロロフィルにストロマ、ADPにNADP +……化学式頭に浮かべながらでも魔法で構成……


「サルトロさん、サティエルさん……今の仰っていた事わかります……?」


「「無理です」」


「三人ともうるさい、タカハル様の集中の邪魔」


 そんな会話が聞こえた、口に出ていたか。

 ルビーはそんなことを言うが何も問題はない。俺はその程度で集中力が乱れるようなやつではない。とはいえ……


「無理! 頭パンクするぞ、こんな事やってたら」


「一体何をなさろうとしているのですか?」


サティエルが聞いた。


「砂糖作ろうとしてる」


「「砂糖ですか!?」」


「砂糖って……あの砂糖ですか?」


「私でも多く食べられないあの……」


女性陣が目を輝かせながら言った。


「おう、白くて甘い粉な」


「「しかも白!?」」


 あー、昔は基本黒糖か。


「い、一体どうやって……」


サティエルが聞いた。


「植物の真似事しようとしたんだけどな……再現しようとしたら複雑すぎて俺の技量が足りねえ……だが工夫はしてって頑張ってみる。頑張ってもダメだったら別のもの考えるけど。」


「「全力でお手伝い致します!!!」」


「お、おう。そうだな、まずペンと何枚か紙もってきてくれ」


「私が行ってきます」


 ルビーが言ってそのまま走り去った。


「よーし、その間に概要の説明を――」


「ただ今戻りました!」


「はっや!? 五秒も経ってねえだろ!? まあ早い分にはいいけど。いいか? 全ての植物は水、光、二酸化炭素から糖を作るんだ。ちなみにキノコ類は植物に含めないんで」


「二酸化炭素とはなんでしょう?」


サティエルが聞いた。


「そうだな……物を燃やした時に出る無色無臭の気体だ。煙とは違うからな。あと呼吸した時に肺の中で酸素を二酸化炭素にするっていうことしてる」


正確には体全体の細胞がだけど。


「あれだな、兵士さんの例えだと……酸素二人ペアの兵士が熱を受けて固まってる炭素の兵士から一人引っこ抜いて 二酸化炭素三人ペアになって散らばるんだ」


 四人が考えている。近接組と魔法組で考えていることが違うように思える、主に熱のところから。


「はい、二酸化炭素はもうおしまい。これだけで時間かけたら説明だけで数週間かかる。

 あ、あといちいち二酸化炭素っていうのは長いから、別の呼び方のCO2で呼ぶ。

 話を戻すと水、光、CO2から糖を作ってる。どうやってるかざっくりと言うと光エネルギーと体に持ってる物質でCO2と水を合成して糖を作って余った酸素を捨ててる。

 ざっくりすぎて全然説明足りないけどとりあえずやってみて必要そうだったら説明する。

 でだ、前にろ過してた時サティエルに魔法を頑丈にしてもらったけど、あれ本人は作るだけで他人が本人の力を使わず維持するって出来るか?」


「難しいで「出来ます出来ます! やってやりますよその程度! サルトロさんも出来ますよ! そうでしょう?!」


「……まあ、出来ない訳でもないですし。頑張りますよ」


「それじゃあまず……」


 楽しい楽しいお絵描きタイムだ。無論ただの落書きではなく化学式や化学構造を書いていく。


「マグネシウム一個の周りにピロール四つのクロリン環に長鎖アルコールのエステル結合でクロロフィル。アデノシン二リン酸、C5N5H5にC5H10O5とH3PO4が二つ

AMP、アデニル酸も必要だったか。C10H14N5O7P。

問題のNADP+だ、C21H29N7O17P3……構造複雑すぎんだろ……」


 紙に書きながらそう呟く。

 魔法で再現できるのか? 水やらカーボンナノチューブやらとはわけが違うぞ……逆だ

 水とカーボンナノチューブができたのだから『できる』だ。

 

「誰か水を持ってきてくれ」


 外に出て魔力を体外へ出していく。

 クロロフィルを完成させなくては。マグネシウムは未知数だ、魔法で金属元素はは作ったことないが……多分できたと思う。魔覚でそんな元素構造を感じたが確かめる方法なんか無い。その周りにピロール、C4H5Nが4つ、その下に長鎖アルコール、クロロフィルだとフィトールだ、C20H40O繋げるのに一苦労だ。あとは水を持って行って電子と陽子に分ける、持ってきてもらった水から一つの水分子を魔力で運び、日の光エネルギーを受けて水素イオンと電子と酸素に分ける……できてるよなこれ? 水は魔法で作ったわけではないので魔覚で感知できない。一応クロロフィルが反応したような気がする。

 出来てなくても知らねえ!ここまでやったんだ、そのまま行ってやるよ!

 クロロフィルを多く作っていく。


「出番だ、魔覚でわかるだろ?こいつらを維持してくれ」


「かしこまりました」


 サティエルが言った。知らないうちにルビーが杖を渡していた。仕事は早い、というか移動が。

 次にADPとAMPだ。さっきに比べたらまだ楽だ、出来る出来る、さっきのクロロフィルと同じ数作る。


「サルトロはこいつ頼む」


「かしこまりました」


 最後に複雑なNADP +……魔力はさほどだが集中力がごっそり削られる。


「誰か皿とか用意しろ」


 ルビーが研究室の棚から皿を持ってきた。

 さあ!始めるぞグルコース制作!ADPとAMPを陽子と合体させ、ATPを作る。NADP +を水素イオン、つまり陽子とと二つの電子を合体させてNADHPを作る。この二つで二酸化炭素を固定!そっから還元!これでグルコースができるはずだ。

 これでADPとAMPに、NADP +に戻るからこれを繰り返す。これを魔力で加速させる。

 皿の上に魔力製のグルコース製造場からパラパラと白い粉が降ってきた。グルコース、ブドウ糖に違いない。

 10g程度でやめた。それを机の上に持っていき……


「づがれだー……」


 机に突っ伏する。俺大丈夫? 頭から煙とか出てない? 出るわけないっていうのは知ってるけど。


「お疲れ様です。それでこれが……」


サティエルが言った。


「ブドウ糖、砂糖のはずだ。」


 それを指につけ舐めてみる。


「甘ーい! さっきまでの疲れ吹き飛んだ。完全に俺の世界で使われてた砂糖の味だ!」


 本当にさっきので削られた集中力が回復した。脳で快楽物質が作られていくのがわかる。こっちに来てから十日程度しかいないが食べた甘味は果実だけだった。

 女性陣が目をさっき以上にキラキラさせている。


「いいよ食べても」


「「ありがとうございます!!」」


 砂糖に飛びついた。それはもう、ペット動物が餌に飛びつくように、ペット飼ったことないけど。マウスなら研究室でお母さんが飼っていたがあれはペットに含めないだろう。遺伝子打ち込まれた動物がペットはマッドなサイエンティストだし。いやマッドサイエンティストだった。


「お前らはいいの?」


 男性陣は食べようとしない。


「味見をしたいのは山々ですが……」


「二人に恨まれそうっす。」


「「あ」」


サティエル、ルビーがそう声を発した。


「どうした?」


「その……申し訳ございません、後先考えずに食べきってしまいました。」


「つい手が出てしまって……」


「その気持ちよくわかる。俺も甘いものはついつい手が出ちゃったな。そういえばあれくらいの量でどれくらいの価値になるんだ?」


「えーと、あのくらいの量ですと……金貨五枚くらいでしょう」


サルトロが言った。


「すまん、お金の価値ってわからないんだけど。」


「すいませんでした、気が回らず。そうですね、一般兵士百人を五日働かせるのにかかるほどでしょうか」


「……まじか」


 気付くとサティエルの顔が青ざめていた。ルビーは大丈夫のようだけど。さすが王族、価値観が違う。


「サティエル、落ち着け。さっきのは大丈夫、俺らがたった数分で作った物だから。ね、深呼吸して。」


「は、はい……」


「まあともかく、金は稼げそうだ。金銭面では問題はなくなった!」

ご閲覧ありがとうございました。

もしよろしければ評価、感想をお願いします。

星一評価、辛辣、一言感想でも構いません。


科学にわかがすけてしまう。間違いに気付いた方がいらしたのでしたら感想で教えてもらえると幸いです。

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