エンドロール後
鬼を退治してから時は少し経つ。あの後桃太郎と両親はもう一度山奥の家へ帰った。シンは飲み仲間がいるからと町に残り姿が変わっても受け入れてくれた仲間達と日々楽しく過ごしている。
「これ…どうしようか…」
桃太郎は居間で寝転び手に持った2つのきびたんごを見ていた。鬼との戦いで使わず残ってしまった。母親は自分にきびたんごを作った時、神様に貰った神薬を全て使ってこれを作った。だから世界で2つだけの神薬入りのきびたんご。しかしこんな物を持っていていいのか…。戦いは終わったのだ。
「ん?」
桃太郎が悩んでいるとドアを叩く音が聞こえた。父親は山へ芝刈りに母親は川に洗濯に行っているが、帰って来たからといってノックなどするだろうか。鍵などかかっていない。
「どちらさんですか?」
桃太郎はすっと立ち上がりドアを開けた。そこには一人の老人と怪我をして今にも死にそうな一人の男がいた。
「あなたは桃太郎さんですかな?」
「ええ…それよりそちらの男性の怪我を…」
「…お願いしますじゃ。ワシらにきびたんごをくだされ」
桃太郎は耳を疑った。なぜきびたんごの存在を知っているのか…。
「あなたたちは何者ですか?どうしてきびたんごの事を…」
「…ワシは…海の国にいってその国の神器の力により老人にされた者、そしてこやつは熊との稽古中に誤って崖から落ちてしまった男。ここに来る途中で出会いました」
「…それできびたんごの情報はだれから?」
「白髪の老人から…」
神様だ。桃太郎はそう思った。二人にこのきびたんごを渡すかどうか悩んでしまう。そしてある事を思う。
「わかりましたお渡しします。そのかわり…友達になってください」
桃太郎はそう言って笑った。
そしてここから桃太郎の新たな冒険が始まるのです。
See you next time