表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こまけぇこたぁいいんだよ!!  作者: 承り太郎
51/125

レプリカ・彼女黙示録 華嫁降誕 姉妹

 西暦二〇一五年 六月十一日 午後二時二十五分

 ストーンロール ロック商店街 ヌード通り



「そこの人!ちょっといいですか!」


 シンヤがラブホテルから一人で出てきた三十代前半の男を呼び止める。


「な、なんすか?」


 おどおどした様子で男が応対する。


「さっきラブホから出てきましたよね?」


「あ、ああ……」


「失礼ですが、ラブホで何してたか教えてもらえません?」


「な、何で初対面の君に言わなきゃいけないの?」


「訊いてるのは俺です。答えてください」


「え、あ、あの……。ラブホでやることなんて一つでしょ?」


「つまり、エッチしたってことですね?」


「ちょっ、大声で言わないでよ!」


「どうしてホテルから出てきたのは、あなただけなんです?連れの女性は?」


「そ、それは……」


 表情の裏に後ろめたいものがあると見抜き、シンヤは強気の口調で迫る。


「単刀直入に訊くぜ!あんた、レプリカ持ちだろ!」


「え!?何で……!?もしかして……?」


「そう、俺もレプリカ持ちさ」


「何が目的なの?」


「あんたのレプリカを見せてくれ」


「え?えっ、何で?」


「俺のも見せるからさ」


 ダブスクを取り出し、レプリカ真菜を娼喚する。


「さあ!見せてくれよ」


「だ、だから、何で……」


「どうしてそんなに渋る?やましいことがないなら見せられるよな?」


「お兄ちゃん。この人、嫌な感じがする……」


 妹の直感を確信して問い詰める。


「一体どんなプレイをしたんだ?あるいは、強要した?返答次第では警察にチクるぜ」


「……この野郎。人が下手に出てればいい気になりやがって!調子乗ってんじゃねえぞ!」


 本性を現した男がレプリカを娼喚する。

 現れたのは、別々の女の子二人の左半身と右半身を針金で縫い合わせたような見た目の合体レプリカだった。


「これが俺のレプリカ、姉妹丼ニコイチ!」


 男が得意気に叫ぶ。


「俺に喧嘩売ったこと後悔させてやる!」


「後悔するのは、あんただぜ!」


「ニコイチ!ガキを殺せ!」


「真菜!レプリカに構うな!奴を狙え!」


 お互いに本体狙いの戦略で火花を散らす。


「あんたのレプリカ、全身火傷の痕だらけじゃねえか!一体何をしたらそうなる!?答えろ!」


「冥土の土産に教えてやる!……俺はな、煙草を押しつけながらヤるのが好きなんだ。生身の女は一、二回ヤるとすぐ逃げるが、このニコイチは我慢強い!マジいいおもちゃだぜ!ヒャハハハハ!」


「良心の呵責を感じないのか!?」


「別に。何も」


「この……人でなしがーっ!!」


 シンヤの叫びに共鳴してレプリカ真菜のステータスが上昇し、ニコイチを圧倒する。


「真菜!玩具(ザラ)だ!」


 ローキックで相手の膝を砕き、姿勢が崩れて前屈みになった瞬間、腹にアッパーを決めて打ち上げ、落下してきたところへタイミングよくパンチを繰り出し、打ち上げと落下狩りをひたすら繰り返す。


「今だ!真菜!やったれ!」


「うおりゃーっ!」


 落ちてきたニコイチの胸ぐらを掴み、大きく振りかぶって投げ飛ばす。


「うぐお!」


 飛んできたニコイチの下敷きになり、男が白目をむいて気絶する。


「勝負あったな」


 男の手からダブスクを、ジーパンのポケットから長財布を奪い取る。


「戦利品ってことでもらってくぜ」


「ごめーん!遅くなった!」


 喫茶店で支払いを終えた十兵衛が駆けつけた。


「あれ?もう戦い終わっちゃった?」


「ああ」


「この娘は?」


 男を下敷きにしたままのびているレプリカを見ながら訊ねる。


「下になってるクソ野郎のレプリカだ」


「何これ?火傷の痕?」


「クソ野郎の趣味で、ヤる時に煙草の火を押しつけられたみたいだ」


「ひどい……!」


「そこでだ。十兵衛、頼みがある」


「……あ!分かった!」


 合点がいき、レプリカ下川を娼喚する。


「下川さん。その娘に勧誘の右手(スカウト)やってくれる?」


「オッケー」


 気を失ってるけど上手くいくかな……。


 無事、十兵衛のダブスクにニコイチの情報が登録される。


 やった!仲間にできた!


「下川さん。治癒の両手(バンデージ)を」


「はーい」


 両手で触れた瞬間、全身の火傷の痕が消え始め、五秒足らずで完治する。


「ん……。ここは?」


 ニコイチが目を覚まし、ゆっくりと起き上がる。


「あなたたちは?」


「俺は木場シンヤ。こいつはレプリカの真菜」


「俺は乃木十兵衛。彼女はレプリカの下川さん」


「あの、ご主人様はどちらに?」


「君のご主人様は俺だよ」


 十兵衛が自分を指差す。


「元ご主人様なら君の下に居るぜ」


 シンヤがニコイチのお尻の下敷きになっている男を指差す。


「君が意識を失ってた時、勧誘の右手(スカウト)で仲間にしたんだ。ついでに火傷の痕も治したよ」


「あっ!本当に消えてる……」


「俺たちの仲間となった今、そいつの言うことを聞く必要は無くなった。もう二度と煙草の火を押しつけられることは無いから、安心しな」


「ほ、本当に……?」


「おう!」


「何から何まで助けていただき、ありがとうございます」


「礼はいらないよ。もう仲間なんだからさ」


「では……。十兵衛殿、シンヤ殿。私は姉妹丼ニコイチと申します。今後ともよろしくお願いします」


「こちらこそよろしく!」


 こうして合体レプリカ、姉妹丼ニコイチが仲間に加わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ