レプリカ・彼女黙示録 華嫁降誕 契約
西暦二〇一五年 六月六日 午後十一時
ストーンロール 乃木家
十兵衛は自室のベッドに寝転がっていた。
今頃、シンヤはレプリカ真菜ちゃんとよろしくヤってんのかな……。羨ましいな……。
俺も早くレプリカ欲しいなー。でも、誰のレプリカにしよう?
クラスの女子の顔を思い浮かべながら考える。
茜さんは見た目はいいけど性格キツい。
星さんは彼氏持ちのリア充だから住む世界が違う。
小野寺さんと加藤さんはヘビースモーカーだから無理。
菊池さんは女の子なのに一人称が俺なのが個人的に無理。
小林さんはV系アイドルオタクだから論外。
庄司さんはスタイルいいし胸デカいけどケバいから無理。
山田さんは乱暴だしガサツだから無理。
佐々木さんは誰にでも優しいし可愛いけど彼氏持ちだから論外。
照井さんと布川さんは顔も性格もブスだから論外。
高橋さんはちょっとしたことですぐキレる爆薬庫だから無理。
小東さんはめんどくさい性格だから無理。
八重樫さんと小原さんは罰ゲーム告白で男子泣かす外道だから無理。
今野さんは露出狂だから個人的にも社会的にも無理。
酒寄さんは純粋な日本人なのにハーフっぽい顔立ちで可愛いけど、見かけによらず意外と乱暴たがら無理。
独断と偏見に基づいてレプリカ候補から外していく。
下川さんはブス……。いや、よく見れば可愛い部類だと思う。
野郎どもはデブって陰口叩くけど、女子にしては大柄なだけで決してデブじゃない。デブに見えるのは腕とか脚とかパーツごとに見るからそう見えてしまうのであって、全体として見ればバランスは整っていると思う。
そういえば、下川さんの脚って凄いムチムチしてるんだよな。いつも制服のスカートで隠れてるから分からないけど、体育で半袖半ズボン姿になった時の衝撃……。膝枕とか絶対最高だろ……。
大人しくて優しいし、お母さんみたいな雰囲気があるから一緒に居て安心するんだよな。
ふと冷静になって考える。
あれ?俺、ひょっとして下川さんのこと好きなのかな?今まで自覚してなかったけど……。下川さんのこと考えたら胸と股間がドキドキしてきた……!
ま、まあ、なんだ。とりあえず下川さんのレプリカを作ろう。
となると必要になるのが髪の毛とパーソナルデータだけど……。パーソナルデータは普段の様子を観察しながら作るとして、髪の毛はどうやって入手しよう……。教室の床に落ちてる毛を拾えばいいか?いや、必ずしも下川さんのが拾える保証は無い。うーん……。明日学校に行ってから考えよう。
翌日
西暦二〇一五年 六月七日 放課後
ストーンロール 百合高等学校 図書室
一番奥のテーブル席ではお目当ての下川が本を読んでいる。
そして、十兵衛は本を探す振りをしつつ、本棚の陰から様子をうかがっていた。
下川さんが読書家だったなんてラッキー!本を読んでいる最中を狙って制服についた髪の毛を入手できる!しかし、問題は髪の毛が制服に落ちてるかどうかたな……。
本棚の陰から姿を現し、読書中の下川の後ろを通り過ぎ、下川の居るテーブルに一番近い本棚の後ろに移動する。
……あった!背中に一本、確かにあった!
心臓がバクバクし、手に汗が滲む。
落ち着け。落ち着け十兵衛。落ち着いてやればできる。絶対取れる!
本棚の陰から周囲を確認する。
周りには俺と下川さん以外誰も居ない。下川さんのテーブルは貸し借りカウンターからは死角。いける!あとは勇気だけだ!
気配を悟られないよう静かにゆっくり歩き始める。
あと少し……!
遂に下川の後ろにたどり着く。念のため、もう一度周囲を見回して安全を確認する。
いける!
右手を伸ばし、人差し指と親指で背中についた髪の毛を摘まむ。ここで下川が立ち上がれば、指先が制服越しに背中に触れて企みがバレる。まさに一寸先は闇。ギリギリの境地。
取れた!
そして、静かに素早く本棚の陰に隠れ、自分の指先に髪の毛があることを確認する。
ミッションコンプリート!長居は無用!帰宅する!
手に入れた下川の髪の毛をジッパーつきポリ袋に入れ、十兵衛は図書室と学校を後にした。
西暦二〇一五年 六月七日 夕方
ストーンロール 乃木家 十兵衛の部屋
遂に!遂に手に入れた!下川さんの髪の毛!
ポリ袋の中の髪の毛を見る。
パーソナルデータは授業中内職して完成済み!あとはレプリカを作るだけ!
シンヤの時と同様の作業を行い、一時間ちょっとでパーソナルデータを書き込んだ実体化モデルが完成した。
奴隷娼喚_VER.5.5.exe
→SUMMON
STATES
UNITE2
UNITE3
「娼喚!」
SUMMON 娼喚する奴隷を1体選択してください
→下川 従順度34
この1体でよろしいですか?
→はい
いいえ
眩い閃光と共にレプリカが生まれたままの姿で出現する。
「し、下川さん。同じクラスの乃木だけど……」
「乃木くん。ここどこ?何で私は裸なの?」
「説明するからさ、とりあえずバスタオル羽織って」
「あー、ありがとう」
説明するなんて言っちゃったけど分かってくれるかな……?
「下川さんは俺が作ったレプリカなんだ」
「どゆこと?」
「えーとね……」
奴隷娼喚について一通り説明する。
「えー?じゃあ何?私は私のオリジナルのレプリカで乃木くんの奴隷ってこと?」
「下川さんのレプリカなのは間違いないよ。でも、奴隷だなんて思ってないよ!本当だよ!」
「焦んない焦んない。目を見れば嘘吐いてないの分かるから」
下川さん、マジ天使!
「ねえ。乃木くん」
「何?」
「私のこと、レプリカ作っちゃうくらい好きなんだ?」
上目遣いで十兵衛を見つめる。
「え!?えっと、その、あの……」
「あはは!顔真っ赤!乃木くん、可愛い!」
満面の笑みを浮かべ声を上げて笑う。
「いいよ。私、乃木くんのものになっても」
「本当!?」
「レプリカ作っちゃうくらい好きなんでしょ?だから、いいよ。私、乃木くんだけのものになってあげる」
「下川さん……!」
「末永くよろしく」
「こ、こちらこそよろしくお願いします!……早速お願いがあるんだけどいい?」
「ん?言ってみ」
「膝枕させてください!」
「いいよ。ほら」
「やったー!」
ムチムチの太ももに頭を載せる。
「お加減はどうですか?」
頭を撫でながら十兵衛に訊ねる。
「あったかくて柔らかくて……最高」
「ふふっ。よかった」
こうして、十兵衛はレプリカ下川を手に入れたのであった。




