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こまけぇこたぁいいんだよ!!  作者: 承り太郎
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禁断!奴隷合体の巻

 フォレストフォートレスに到着したアルケミーはネブラの兄ゼブラヘッドとデスマッチの戦いを繰り広げていた。

 戦いの最中、ゼブラヘッドは奴隷娼喚というイメージROMで女たちのレプリカデータを呼び出し、五対一の圧倒的暴力ででアルケミーを追い詰めた。

 しかし、窮地のアルケミーは勝利を確信しチャンスを待つのであった。


「奴隷娼喚を作るのは実に大変だった……。人間の生体情報は膨大、それを処理してモデルを作るプログラムも膨大、モデルに打ち込むパーソナルデータも膨大……。容量との戦いの連続だった。それでも何とか乗り越えたら、今度はダブスクの処理能力との戦いが始まった。無駄な構文を徹底的に省いてプログラムをシンプルにする作業に七年もかかってしまったよ」


 ゼブラヘッドは勝利を確信しているのか自身が作ったプログラムについて延々と話していた。

 アルケミーにとって、それはクソがつくほどどうでもよい話だった。しかし、脳震盪から回復する時間が必要だったので、ふらつく演技をしつつ黙って聞いていた。


「ようやく完成して、いざ実体化させたらレプリカが反抗的な態度をとって従わないという問題が起きた。おじさん悩んだよ。完璧なプログラムで完璧に実体化したのに何故逆らうのか、と……。しかし!そこが盲点だった!完璧過ぎたせいでオリジナルの反抗的な態度まで再現してしまったんだ!……おじさん、自分の天才ぶりを恨んだよ。どうしてこんな完璧なものを作ったんだ!とね……。それから、どうすれば問題を解決できるのか考え続け、一つの答えにたどり着いた」


 こいつの自分語りはいつまで続くんだ。まあ、回復の時間を稼げるから好都合だが……。


「完璧に作るに越したことは無い。しかし、ほんの少しのいい加減さが時には必要だと……。あ!言っとくが粗悪品を作るという訳じゃないぞ。オリジナルに限りなく近い完璧なレプリカを作るのではなく、オリジナルに限りなく近いおじさんに従順なレプリカを作る、ということだ」


 長ったらしい上にややこしい……。イライラするな……。


「要するに完璧さのレベルをほんの少しだけ落としたんだ。そのために作ったアイテムが首輪だ」


 首輪……。あの黒い牛革でできてそうなやつか。


「首輪には反抗的な態度を抑制し、おじさんに対する従順な気持ちを増大させるプログラムをしてある。ただし、増大させると言ってもほんの少しだけだ。従順な女の子は好きだが従順過ぎるのは面白くない。適度に反抗的だからこそ征服する甲斐がある」


 ほんの少しだけ増大……。ほんの少しだけであれほどの連係攻撃ができるとは……。恐ろしいな。プログラムではなくゼブラヘッドという男が……。


「利便性を考慮してダブスクのエミュレータで動作させてるけど、ダブスクに対応するメモリーカードの最大容量は百二十八ギガバイトまで。女の子一人あたりの生体情報、立体モデル、パーソナルデータの合計容量は二十一ギガバイト前後。つまり、六人がダブスクで処理できるギリギリ。おじさんとしては二十人くらい持ち歩きたいけどね。まあ、メモリーカードを複数用意すればいい話なんだけど、そうすると紛失とか家内に見つかるリスクが発生するから諦めてるよ」


 さっき奴が召喚したのは五人。ということはメモリーカードには、あと一人残っている。


「一度に実体化できる最大の人数は五人まで。ダブスクの処理能力がもうちょっとあればなあ……。六人出せれば右に三人、左に三人の両手に華をやれるのになあ……」


 五人はゲーム機の制約か。もし、俺が奴の立場なら一番強いのをゲーム機に残す。確実に勝ちたいと思ったら誰だってそうする。切り札は最後までとっておきたいはず。


 脳震盪から立ち直り、頭の中で策を練る。


 戦いが長引くほど切り札を召喚する確率は上がる。ゲーム機を破壊し奴を殺す。速攻で終わらせる。


 拳を構え地面を蹴ってアルケミーが走り出す。


「おっ!やる気満々だね!おじさんも頑張っちゃうよ!」


 五人の女たちも走り出す。


「とおっ!」


 アルケミーが天高く跳び、女たちの肩を足場にしてゼブラヘッドの元へと急ぐ。


「覚悟!」


 ヴィルバス直伝。秘技静電射。


 ダブスクに狙いを定めて撃ちまくるがひらりとかわされてしまう。


「そいつはもう見切ったから、おじさんには通じないよ」


「野郎!」


 技のトレースだけじゃなく、見切りまで……。奴を殺すのはおろか、ゲーム機を壊すのも難しいな。……となると、レプリカ女たちを潰すのが懸命だな。奴はレプリカに相当の思い入れがある。目の前で全員殺せばメンタルが削れて少なからず隙ができる。その時が殺すチャンスだ。


「……む!」


 その時、背後から風を切る音が聞こえ、反射的に前に飛び退くが回避が間に合わず背中を切り裂かれる。


「ぐあ!畜生!」


 着地した左足を軸に身体を回転させて正面に向き直ると、右手の指先から血を滴らせる黒髪ショートの愛美の姿があった。


 引っ掻きか……。凄い切れ味だ。まともに喰らったら死んでいた。


 ゾッとするアルケミーに構わず、愛美が再度斬り込んでくる。

 引っ掻きによる斬撃をかわしつつ、みぞおちにカウンターの蹴りを入れ、前屈みになったところへ顔面にアッパーを当てて真上に殴り飛ばす。


 ヴィルバス直伝。秘技豪華拳乱。


 拳のラッシュで落下狩りし、両腕と両膝を打ち砕いて墜落させる。


「今だ!」


 立てなくなった愛美を力強く抱き締めて持ち上げ、更に力を込めて両肩と肋骨と背骨を粉砕する。


 ヴィルバス直伝。秘技静電壊抱。


 次の瞬間、アルケミーの腕の中で愛美が火花を上げて爆発しポリゴンの破片が飛び散る。


「ああっ!愛美ちゃんが!愛美ちゃんがああああ!……君!一体何をした!?」


「身体に貯まった静電気を一気に放出した」


「な!?」


「学校で習ったことを思い出した。……データはちょっとした負荷で簡単に破損する。特に静電気は大敵……。その通りだったな」


「お、おのれーっ!」


「どんなに完璧に作ろうと所詮はデータにすぎん。残りの女たちも消去してやろう」


「ふざけるな!愛美ちゃんの敵討ちだ!」


 豚もおだてれば木に登る、ならぬ、豚も煽れば死に急ぐってやつか。もっと感情的になれ。怒れば怒るほど俺の勝利は不動のものとなる。


 残りの女たちがアルケミーの前後左右に散開する。


「何をしようと無駄だ」


「黙れ!」


 顔以外美人の睦美と金髪ギャルの恵美が助走からの空中一回転跳び蹴りを同時に放つが、繰り出した足をアルケミーが両手で受け止め、それぞれの足首を掴む。


 ヴィルバス直伝。秘技静電通殺。


 感電した睦美と恵美が木っ端微塵になりテクスチャが飛び散る。


「これで残り二人だ」


 ゼブラヘッドを守るように立ち並ぶDカップの美海とFカップの麻美、以下巨乳コンビを睨む。


「観念しろ。ゼブラヘッド」


「まだだ!おじさんには奥の手がある!」


 とうとう切り札を出すか。しかし、倒し方が分かれば怖くもなんともない。


「目にもの見せてくれる……!」


 SUMMON 娼喚する奴隷を3体選択してください

 ・NO DATA

 →美海 従順度64

 ・NO DATA

 ・NO DATA

 →萌絵 従順度99

 →麻美 従順度56

 この3体でよろしいですか?

 →はい

 いいえ


 巨乳コンビの間に新たなレプリカ、現役女子中学生の萌絵が出現する。


 あれが奴の切り札。奴め、中坊にも手を出していたのか……。倫理観が欠如してやがる。人として終わっているな。


「三人がかりか。いいだろう。かかってこい」


「ふっふっふ……。奥の手はこれからだ……!」


 奴隷娼喚_VER.5.5.exe

 SUMMON

 STATES

 UNITE2

 →UNITE3

  →美海

  →萌絵

  →麻美

 この3体でよろしいですか?

 →はい

 いいえ


「見るがいい!これが……!これが!おじさんの奥の手だ!」


 巨乳コンビと萌絵の身体が光り始める。


「これは一体!?」


 アルケミーの目の前で三つの光が重なり、一つの輝きとなる。


「ぬおっ!眩しっ!」


 徐々に光が晴れ、その姿が明らかになる。

 腰まで伸びた栗色の髪、透き通るような白い肌、卵形の顔、穢れを知らぬ瞳、綺麗に割れた腹筋、すらりと伸びた両腕と両脚、百八十センチ以上の八頭身ボディ。

 一見すると美しい女性。しかし、よく見ると人間ではない異形の者。

 まず、左右の肩にはそれぞれ別の女性の顔。それは巨乳コンビの顔で、どちらも生きていて瞬きをしている。

 そして、胸には乳房が四つ。上はDカップ、下はFカップ。正面から見るとサイコロの四の目のようだ。


「どうだ!これがおじさんの奥の手!合体だ!」


「合体!?」


 これが三人の合体した姿だと……。美しいと同時に恐ろしい。いや、なんておぞましい姿……。


 異形の者が口を開く。


「私は姦極王サーマン。三つのレプリカから生まれし、レプリカを越える者」


 ゼブラヘッドの切り札。姦極王サーマン。

 彼女は一体どれほどの力を秘めているのか。

 アルケミーの運命や如何に。

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