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こまけぇこたぁいいんだよ!!  作者: 承り太郎
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レッツゴー!ハイエッス出撃

 軽トラックにはねられて異世界に転移したアルケミーは、悪の限りを尽くす外道の国、ゲイルと激しい戦いを続けていた。

 しかし、ゲイルの兵士たちの逆恨みでディランを殺され、アルケミーは悲しみ怒りを燃やしこれまで以上に積極的にゲイルの拠点潰しを開始し、次々と陥落させていった。


 ディランの死から一年。異世界に転移してから三年。


 ここはかつて仲間たちと同じ釜の飯を食べた家、今はゲイルの最終拠点と化したピープル城。


「隊長!最終防衛ラインが突破されました!」


 直後、城の扉を正拳突きで破壊してアルケミーが姿を現す。


「来たぞ!黒髪のアルケミーだ!」


「うわあああああ!」


「ほ、本物だ!」


 深呼吸しアルケミーは大声を繰り出す。


 ヴィルバス直伝。秘技音響無惨。


「ラアアアアアアアアアーッ!」


 先制攻撃の音障壁を命中させ、兵士たちを破裂させる。


「みんな距離をとれ!ライフルで攻撃しろ!」


 対ロリック専用の銃を一斉に撃つが、音障壁に阻まれアルケミーの手前で銃弾が粉砕してしまう。


「飛び道具はダメだ!刃物を持て!リンチだ!」


 上級兵士の命令で下級兵士たちが刀やナイフで斬りかかるが、アルケミーは全て両手で受け止める。


 ヴィルバス直伝。秘技静電通殺。


 体内に蓄電した静電気を刃に流して次々と感電死させる。


「ええい!これならどうだ!」


 上級兵士が斬りかかり、アルケミーが右手で受けて静電気を流す。しかし、兵士は感電死しない。


 奴め。握りにビニールを巻いて防いだか。


 秘技を無効にされ胸を斬られて血が噴き出す。


 これはかすり傷。いや、怪我ですらない。


 自分に言い聞かせて自分自身に暗示をかけ、裂傷に唾を吹きかける。


 ヴィルバス直伝。秘技暗唾傷滅。


 裂傷が一瞬で塞がる様を目の当たりにし、上級兵士が悲鳴を上げる。


「化け物だ!」


「俺は人間だ!」


 右手で上級兵士の顎を掴んで握り潰す。


「死にたい奴、かかってこい」


 しかし、兵士たちは怯えて動こうとしない。


「では、こちらから参ろう」


 死刑宣告し、ゆっくり一歩踏み出す。


「う……うわあああああ!」


 恐怖にかられた兵士がアルケミーに襲いかかるも返り討ちにあい、両腕と両脚が一瞬で無くなり絶命する。


 ヴィルバス直伝。秘技即席達磨。


 アルケミーの右手には兵士の両腕が、左手には両脚が握られていた。


「なんてむごいことを!人の心が無いのか!?貴様!」


「そいつはな、今度父親になる男だったんだぞ!」


「だからどうした」


 無造作に両腕と両脚を捨てる。


「お前たちに俺を非難する権利は無い。力無き民に対してこれまでやったことを思い出せ。今、俺がやったこと。それがお前たちのしてきたことだ。慈悲は無い」


「ほざけ!」


「ちょっと強いくらいで粋がるな!」


「みんなでかかれば怖くない!やっちまえ!」


「うおおおおおお!」


「死ねえー!」


 五十人以上の兵士が一斉に突撃する。


「終わりだ」


 ヴィルバス直伝。秘技酸散霧惨。


 体表から霧状の胃液を放出し、断末魔の悲鳴を上げる隙を与えず兵士たちがどろどろに溶けて崩れる。


 これで全部か。


 城内の兵士を全て倒し、アルケミーは城の中へと進む。


 フェスタム、パフィ、リロード、ヴェネット、ディラン……。


 仲間たちと過ごした楽しくてあたたかい日々が脳裏に甦り、目頭が熱くなる。

 その時、廊下に並んだ部屋の扉のうちの一つが開いた。


 まだ居るのか。


 潜伏している兵士の攻撃に備える。しかし、何も起きない。


 扉の陰に人の気配。だが、敵意は感じられない。


「そこに居るのは誰だ」


「その声、アルケミー……?」


 女性の声が応答する。


「俺の名前を……!?」


 扉の陰から身重の丸顔の女性が姿を現す。


「パフィ!」


「アルケミー……。嘘……」


「嘘じゃないよ。本物だ。本物のアルケミー・フォーミュラだ!」


「アルケミー!」


「パフィ!」


 もう会えないと思っていた仲間との再会に抱き合って喜ぶ。


「パフィ。綺麗になったな。そのお腹は……」


「うん。もうすぐ産まれるんだ」


 愛しそうにお腹を撫でるパフィを見て、達磨にした兵士がお腹の子の父親であることをアルケミーは悟った。


「……すまない。パフィ。俺は……」


「いいの。私にはこの子が居るから……。この子が居れば、それだけで生きていけるから」


「そうか……」


「アルケミー。私ね。あの頃、あなたのこと好きだった」


 旦那が死んだというのに何を言い出すんだと思ったが、こんな時だからこそ言いたいのだろうとアルケミーは思った。


「パフィ。いい母親になれよ。じゃあな」


 それだけを言い、アルケミーはその場を後にして格納庫へと向かう。


「久しぶりだな。ハイエッス」


 愛機であるハイエッスを見上げる。

 コックピットに乗り込み、起動スイッチを入れる。


「出力よし。カメラよし。燃料満タン。オールオッケー」


 出撃カタパルトに移動し、出撃準備を整える。


「アルケミー・フォーミュラ!ハイエッス!出る!」


 青空にハイエッスが飛び立つ。


 今日で全てを終わらせる。


 アルケミーはゲイル本国へと向かった。

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