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3-1 レンネンさんのフラッシュバック

 テトです。肩書はもうありません。捨ててきました。ちやほやされて調子に乗っていた自分が本当に嫌になり、こうして旅に出ることにしました。ハルキ様がたまにどこかに行く気持ちが分かる気がします。

「ねえ、テト様。どうしてワイバーン召喚で飛んでいかないんですか?」

完全に負けたのはハルキ様だけで、その他の人にはむしろ勝ってきた記憶しかなかった自分がバカバカしく思えます。フラン様に身体能力で完封されても、自分には召喚があるんだと思ってた慢心さを叱りつけたくなる思いでした。

「ねえってば!エルライト領まで歩いてったら何日もかかるよ!」

一度、自分を見直す必要があると思いました。未熟な自分をしかりつける事ができるのは師匠であるハルキ様以外には自分自身しかいないからです。ハルキ様がピンチのこの時に僕の事で手を煩わせるわけにはいきません。

「ねえって!!」

「うるっさいな!なんで付いて来るのさ!邪魔するなら帰ってよ!仕事はどうしたの!?」

 僕が領主館を出る時に、面倒臭い人に見つかってしまいました。ヘテロの所でワイバーン部隊をしてるんじゃなかったの?僕に付いてきてもだめでしょうが。

「だって、今は奥方様にはハルキ様がべったりついてるから私はいらないし・・・。」

そう、ユーナです。彼女は何故か僕に付いて来ようとしています。

「奥方様を連れ出したときに置手紙じゃなくてきちんと誰かに伝えてたらこんな事にはならなかったとか言われるし・・・。」

もじもじする女の子はあまり好きじゃないな。女性はセーラ様みたいなのがいいと思います。

「私がいなかった事、ヘテロ様気付いてなかったとか、すっごいショックだったし・・・。」

つまりは失業失恋旅行ってこと?

「冗談じゃないよ。君の失恋旅行に構ってられるか。はやくレイクサイドに戻りなよ。」

「そんな事いったらテト様だってこんな事してたらダメでしょ?」

「僕はいいんだ。もう第4部隊の隊長じゃない。辞めてきた。」

「え!?なんで!?」

「話す理由はないよ。」

「そんなに落ち込んでたんだ?」

「分かってるなら聞くなよ。」

ほんと、調子狂うなあ。

「とにかく、僕は修行の旅に出るんだ。放っておいてくれ。」

「じゃあ、私もついて行ってあげる。もう隊長じゃないならテト様って呼ばなくてもいいよね。私の方が1個年上だし!」

「だめだ。帰れ。」

結局、ユーナはスカイウォーカーの町まで歩いて付いて来た。


 スカイウォーカーの町に来たのには理由があった。レイクサイド領ではさすがに顔がばれているのでできなかったが、僕は冒険者ギルドに登録をするからだ。スカイウォーカーの冒険者ギルドの建物を目指す。

「あ、あったよ。ここじゃない?」

スカイウォーカー冒険者ギルドはカワベの町のギルドに比べると小さい建物だった。あの町のギルド館はハルキ様の希望ででっかく作られたと聞いた事がある。中に入って受付嬢に話しかけた。

「ギルドの新規登録をお願いしたいんですけど。」

「分かりました。新規登録者はこちらに必要事項をお書きください。まずはFランクからになります。依頼承認が不足している状態での飛び級を希望される方はあちらの受付で申し込みください。」

「Fランクで構いません。」

「なんで?テトならもっと強い魔物の討伐できるじゃん?」

「いいから、それじゃ修行になんないだろ?」

「ふーん。あ!私も登録お願いします!」

「何でユーナも登録するんだよ?」

「いいからいいから、私もついて行ってあげるから。」

府に落ちない。なんでユーナは僕に付いて来るの?


「まずは薬草採取の依頼を受けた。」

「もう、飛び級して怪鳥ロックを狩にいけばSランクなのに。」

「うるさいなあ。嫌なら付いてこなくてもいいんだよ?」


 まずはスカイウォーカーの町でギルドの依頼をこなして慣れていこう。エルライト領に行くのはもう少ししてからだ。町のはずれの安宿を拠点にする事にした。

「2部屋で。」

ここは譲らない。なんで一緒に泊まろうとするんだ?


 次の日も薬草の採取依頼をこなした。そろそろ次の依頼を考えよう。昼御飯が終わったらもう一度以来を見に行く事とするか。

「やっぱり、基本はゴブリン退治じゃないかな?」

基本とかはどうでもいいけど、ゴブリン退治の依頼があるのならやっておこう。

 結局、ゴブリン退治はそんなに時間がかからなかった。召喚ばかりやってきたとは言え、レベル61をなめんなよって事か。これじゃあんまり修行にならないね。

「やっぱり、少し飛び級した方がいいかもしれない。ゴブリン相手じゃ修行が・・・。」

「だしょー!せめてBランクくらいはもらっときたいもんだよね。じゃあ、ちょっと受付してくるよ。」

ユーナはそう言うと足場やに受付へと行く。よほど薬草採取がいやだったんだろうか。

「テト!ギルド長が会ってくれるって!」

普段はうるさいけど、たまにはこういうフットワーク軽い調子もいいかもね。


でも、なんだか怪しい雰囲気だよ?

「まじかよ、あの時ほどじゃないがそれでもそこそこびっくりしたぞ?」

なんの話?

「レイクサイド領はお忍びで旅行ついでに冒険者ギルドに登録するのが流行ってんのか?」

あ、もしかしてばれてるのかな?でも、もう僕は第4部隊隊長じゃないんだよね。

「俺はギルド長のレンネンだ。それで?「深紅の後継者」がなんの用だ?」

「僕はもう第4部隊の隊長じゃないんです。辞めてきたんで、ただの冒険者です。だから、ちょっと飛び級の申請をしただけなんだけど。」

頭を抱えるレンネンさん。なんでだろう?

「いつぞやのフラッシュバックが・・・。まあ、いい。騒ぎにならなきゃいいがな。それで?Sランクでいいな?」

「さすがにSは買い被りでしょ?BかCあたりでお願いします。」

「第4部隊を率いて各領地の冒険者の仕事を荒らしまわってたやつが何を言ってるんだか。いつぞや、お前の部下が「最低でも怪鳥ロック」とかいう討伐依頼の回収の依頼って言うややこしい依頼出してきたけど、あれはお前の仕業だろ?」

魔石回収の時かな?それ以上の魔石が欲しかったんだもん。・・・個人的に。

「まあ、今はただのテトだよ。身分不相応な物は持ちたくないんで。」

「分かった。そっちの嬢ちゃんはどのくらいだ?」

「ユーナはDランクくらい?」

「な!?失礼な!私だってレベル30はあります!Bランクでも行けますよ!」

「はいはい、じゃあお前さんたちにはとりあえずBランクをくれてやるよ。もし、Sランクが討伐できずに困ってたら力を貸してくれ。」

「うん、わかった。」


 結局、こうして僕たちはBランクのギルドカードを手に入れた。一般的にも実績ある人だったらBランクから始めるようだし、ここからコツコツと上げていこうと思う。それで、Sランクまで上がってすこし自信がついたなら、またレイクサイド領に帰ろう。受け入れてくれるか分からないけど、一兵卒で構わない。今度こそ、あの人たちを守るんだ。その力を手に入れるために頑張るよ!


「テト!晩御飯食べに行くよ!レンネンさんおごってくれるって!」

ちょっとうるさい相棒もできちゃったけど。



テト 17歳 男性

Lv 61

HP 1780/1780   MP 3360/3360

破壊 31  回復 8  補助 16  召喚 82  幻惑 4  特殊 1

スキル:

眷属:ノーム(召喚3、維持2)

   ドライアド(召喚100、維持20)

    インセクトキラービー(召喚50、維持20)

   アイアンドロイド(召喚150、維持30)

   フェンリル(召喚300、維持30)

   黒騎士(召喚300、維持30)

   クレイゴーレム(召喚1000、維持100)

   アイアンゴーレム(召喚1200、維持120)

   ワイバーン(召喚800、維持60)

   レッドドラゴン(召喚2000、維持200)

   コキュートス(召喚2500、維持300)


ユーナ 18歳 女性

Lv 30

HP 740/740   MP 1420/1420

破壊 19  回復 22  補助 14  召喚 42  幻惑 1  特殊 0

スキル:

眷属:ノーム(召喚3、維持2)

   フェンリル(召喚300、維持30)

   ワイバーン(召喚800、維持60)

   

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